竹森俊平

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テンプレート:BLP unsourced 竹森 俊平(たけもり しゅんぺい、1956年 - )は、日本経済学者慶應義塾大学経済学部教授経済学博士)。専門は、国際経済学

経歴

東京都出身。1976年パリ大学留学(サンケイスカラシップ)、1980年慶應義塾大学経済学部卒業。1985年同大学大学院経済学研究科修了。同年より、同大学経済学部の助手を務める。ロチェスター大学に留学。1989年同大学より経済学博士号(Ph.D.)取得。経済産業研究所ファカルティフェロー、読売新聞社客員研究員を歴任。

著作『経済論戦は甦る』にて、第4回読売・吉野作造賞を受賞。この著作において、従来は無味乾燥として遠ざけられてきた経済学史(経済史)の観点から、90年代末以降のデフレ不況を鮮やかに読み解き、高い評価を受けた。同著書の中で竹森は、経営者層に強く信仰されているヨーゼフ・シュンペーターの「創造的破壊」の神話に対し、カバレロとハマーの実証研究を引用した上で、不況下において好況下よりも新規産業が創出されやすいなどというのは悪しき迷信に過ぎないことを指摘した。この著書が当時の経済論壇に与えた影響は大きく、日本銀行速水優総裁(当時)の「不況によって、非効率な企業がより淘汰される」という清算主義的な考え方[1]に対する批判が一部で強まることとなった。

竹森は2003年からの景気回復は、政府・日銀の協力で円高阻止のための大幅な非不胎化介入が行われたことにより市場にマネーが供給され事実上のリフレーション政策が行われたためとしている。

『世界デフレは三度来る』の中では、慶應大学の同僚である池尾和人・当時の同僚榊原英資や、元日銀総裁の三重野康らを批判している。榊原の「構造デフレ論」について、「デフレについて、マネタリーな要因を無視している」と批判し、三重野については「庶民がマイホームを買えないから急激過ぎる金融引き締めを長く続けたというのは言語道断である」と断じた。

主な著作・共著

  • 『国際経済学』(東洋経済新報社 1994年)
  • 『経済学のすすめ』(筑摩書房 1996年)
  • 『世界経済の謎-経済学のおもしろさを学ぶ』(東洋経済新報社 1999年)
  • 『経済論戦は甦る』(東洋経済新報社 2002年)
  • 『世界デフレは三度来る(上・下)』(講談社 2006年)
  • 『1997年--世界を変えた金融危機』 (朝日新書 2007年)
  • 『資本主義は嫌いですか』(日本経済新聞出版社 2008年)

脚注

  1. 野口旭の「ケイザイを斬る! 」 第4回 清算主義=無作為主義の論理と現実HotWired Japan ALT BIZ(2006年3月14日時点のアーカイブ

関連項目

外部リンク