カラ残業

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カラ残業(からざんぎょう)とは、就業規則に定められた時間外労働(残業)を行なっていないにもかかわらず、就業時間を偽って申請することにより不正に時間外手当を受取る行為である。広義では、遅刻または早退を隠匿することにより給与の減額を免れようとする行為も含まれる。このような行為は詐欺罪等の刑法犯を構成する。 さらに、給料を不正に多く受給する目的のほかに、勤務実態がないのに財産分与や贈与を目的として2時間しか働いていないのに8時間働いたことにする等の行為も含まれる。(A従業員からB従業員に贈与する目的で、A従業員は遅刻や欠勤をしたことにしておいて、B従業員は時間外に働いたことにしておく、トータルで支払った給料は同じだから) 逆に贈与を目的としたうその欠勤や遅刻をカラ欠勤という。 この場合は、所得税法違反や贈与税法違反、有印私文書偽造などの罪に問われる。

公務員によるカラ残業

通常、私企業の経営者にとってカラ残業は利益の損失となる重大な不正行為であり、当該行為者は社内規定等により厳しい懲罰を受けると共に、賠償の責めを負うこととなる。

ところが当事者が公務員である場合、組織的な労働時間の改竄が行なわれることがある。また、監視すべき経理部署までが加担していたり、黙認しているような場合もある。公務員は私企業のように職員への支払い給与を抑えることで組織の利益、ひいては経営者の利益や管理職の給与向上につながるわけではないという構造が存在しているため、職員の支払い給与を抑えるモチベーションが働かない。また「今年度の予算を消化しないと来年度の予算に影響する」などといった言い訳が正論であるかのように横行するという、税金に対する意識の低さからカラ残業に対する罪悪感が希薄となってしまい倫理の完全に麻痺した状態が長期に渡って続いていることが多い。そのため、問題の顕現化および解決はかなり難しいとされる。そもそも、公務員の職場にはタイムカードなどがないところも多く、正確に勤務時間を把握することが不可能となっている。この場合には、公務員は自らが残業時間を申告することになるため、不正の温床となる。また、前述の通り、超過勤務(時間外)手当は予算としての総額が各部署ごとに決まっているため、予算を消化できない可能性が出てきた場合には、実際には勤務を行っていないにもかかわらず、勤務を行ったと(虚偽の)申告をするように管理職から求められる場合もある。例えば雇用、労働を所管する厚生労働省でも、地方支部である都道府県労働局がカラ残業で不正な支給を受けていたことが報道されている(2006年10月23日付読売新聞)。

組織的なカラ残業が問題となった官庁・自治体等

関連事項