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禊のひとつ滝行を行う男性

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(みそぎ)とは、神道用語で2つの意味がある。

  1. 神道で自分自身の身に穢れのある時や重大な神事などに従う前、又は最中に、自分自身の身を氷水、で洗い清めること。類似した水垢離(みずごり)と呼ばれるものがある。
    用例は万葉集より「君により言の繁きを 故郷の明日香の河に禊しにゆく」 (巻4-626)[1]
  2. 禊祓(みそぎはらえ)の略。俳句短歌などでは、夏の季語に用いられる。

通過儀礼

地域によっては、一定の年齢に達した児童は通過儀礼としての禊を行って初めて“一人前”と認められる場合がある。

服装は白装束が原則だが、男子はで行う場合もある。

褌の場合、白の越中褌が原則だが白の六尺褌の場合もある。

裸祭りとの関係

各地の裸祭りの中には、通過儀礼としての禊が祭り化されたものも多い。

禊型の裸祭りでは真冬に氷水を浴びたり川や海に入る場合が多いが、この変形として温泉の湯、泥、甘酒赤飯、等を掛け合うものもある。

御輿等を担ぎながら水を浴びたり川や海に入る場合も多いが、これも禊の一種と考えられる。

現代における禊

  • 神事の前に於ける行として、一般参拝者が手水で清めることも禊の一種である。
  • 一方で川や海、滝に入る禊を行う者もある。神社関係者などの研修会等で行われる他、寒中に精神鍛錬の意味合いをもって、神社が主催し、氏子らを集めて行う事もある。
  • 武道修行者が上記の機会等に、寒稽古の一環として行うこともある。また稽古の前に冷水を浴びてから稽古を行う武道家もいる。

現代の用法

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  1. に示した意味が転じて、現代ではスキャンダルのある政治家が、選挙を勝ち抜くことによって政治責任に区切りをつけたとする場合に「禊は済ませた」という。有権者が公知のスキャンダルを知った上で選出した以上、政敵やジャーナリズムなどによる政治責任追及に対して「選挙区の民意」という抗弁材料を得ることになる。ただし刑事責任の免責を意味するものではない。
用例としては「××先生が禊をする」。

参考

  1. 御衣木(みそぎ)とは、神仏の像を作るのに用いる木材のこと。檜(ひのき)・百壇(びゃくだん)・栴檀(せんだん)・朴(ほお)の類の木が用いられる。
  2. 大祓(おおはらえ)とは、古来6月及び12月の晦日(つごもり)に、親王以下在京の百官を朱雀門の前に集めて、万民の罪や穢(けがれ)を祓った神事。現在も、宮中をはじめ全国各地の神社で行われる。中臣の祓とも呼ばれる。また、これらの神事から、俳句短歌では夏や冬の季語に用いられる。
  3. 禊や大祓(おおはらえ)は、太平洋戦争中、日本の軍国主義全体主義を正当化する考え方として、使われた[2]

脚注

  1. 八代女王獻天皇歌一首「君爾因 言之繁乎 古郷之 明日香乃河爾 潔身爲爾去」「一尾云 龍田超 三津之濱邊尓 潔身四二由久」
  2. ジョン・ダワー、「容赦なき戦争」、猿谷要 監修、平凡社ライブラリー、2001年、379,383ページ

参考文献

関連項目

  • みそぎをする川。夏の季語。源氏物語第9巻(の巻)に次のような箇所がある。「たち出でて給えりし禊川の荒がりし瀬に」。
  • 禊祓(みそぎはらえ)- 禊は身体の穢れの浄化、祓は精神の穢れの浄化。
  • 大祓(おおはらえ) - 六月晦と大晦日に行う禊祓(⇒大祓詞)。
  • 沐浴
  • 川面凡児:現在の神社神道における禊作法は、昭和戦前期に川面凡児が行っていたものに基づく。
  • 今泉定助:現在の神社神道における禊作法(川面凡児流の禊作法)を普及させたのは、昭和戦前期の神道界の指導者今泉定助であった。
  • 忌み