痔
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(痔疾から転送)
テンプレート:出典の明記 テンプレート:Infobox Disease 痔(じ)は、肛門周辺に生じた疾患の総称。痔疾(じしつ)ともいう。
語彙
漢字の「痔」は肛門周囲に生じた疾患の総称として用いられてきた経緯があり、医学的には正確には以下の通りに表記される。また「ぢ」と表現するのは主に戦前まで使われていた「旧仮名遣」の時である。
病態
- ヒト固有の病気
- 直立二足歩行するヒトの場合、直腸や肛門付近の血管は、頭の方向に血液を送っているため、普段から非常に大きい圧力がかかっている。そこに、長時間の立仕事や座り仕事などによる肛門付近での体液の鬱滞、便秘または下痢を繰り返すことなどで肛門部に強い力が幾度もかかること、などの要因が加わって痔を発症する。痔は、排便の障害となることがある。
- 生活習慣病
- 「寒さ」の要因を別にすれば、おおむね「生活習慣病」であると言える。よって、適度な「運動・栄養・休息」をとり、健康的な生活習慣になるよう改善することで、ある程度の予防・治癒することが可能である。
- 排便時などの出血
- なお、排便時などの出血を痔によるものだと誤解し、直腸癌など致死的となる病気を放置している事例がある。
- また、一口に痔と言っても種類によって対処法が違うので、痔になってしまった場合は、どの種の痔なのかも知る必要がある。したがって痔になった場合には、病院(肛門科)で検査を受けることが望ましい。
予防方法
便通に気をつける、同じ姿勢を長時間続けない、腰を冷やさない、刺激物を控えるなどが挙げられる[1]。
治療薬の種類
- 酸化亜鉛(Zinc oxide) - 粘膜の保護作用、炎症抑制作用 - 止血、収斂、皮膚保護成分
- 酸化ビスマス(Bismuth Oxide) - 粘膜の保護作用、炎症抑制作用 - 止血、収斂、皮膚保護成分
- 次没食子酸ビスマス(Bismuth subgallate) - 粘膜の保護作用、炎症抑制作用 - 止血、収斂、皮膚保護成分
- バルサムペルー(Balsam Peru) - 傷の治療を促進 - 鎮痒(かゆみ止め)、抗炎症、殺菌消毒成分
- アラントイン(Allantoin) - 傷の回復を促進 - 組織修復成分
- 塩酸リドカイン(Lidocaine hydrochloride) - 局所麻酔剤 - 局所麻酔成分
- ベンゾカイン(Benzocaine) - 局所麻酔薬 - 局所麻酔成分
- ヒドロコルチゾン酢酸エステル(Hydrocortisone acetate) - ステロイド系抗炎症薬 - 抗炎症成分
- 酢酸トコフェロール(Tocopheryl acetate) - 血行促進成分
- グリチルレチン酸(Glycyrrhetinic acid) - 抗炎症成分
- アルミニウムクロルヒドロキシアラントイネート(Aluminum chlorohydroxy allantoinate) - 組織修復成分
- 塩酸クロルヘキシジン(Chlorhexidine hydrochloride) - 殺菌消毒成分
脚注
- ↑ 痔の予防法 症状別対策BOOK - タケダ健康サイト