熊本市交通局8200形電車
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熊本市交通局8200形電車(くまもとしこうつうきょく8200がたでんしゃ)は熊本市交通局の路面電車の形式である。形式名は1982年に製造されたことに由来する。
車両概説
熊本市電では1981年までにほぼ全車の冷房化を完了したが、この時点で保有している全車両が製造後20年 - 30年を経過していたことから、長崎電気軌道2000形電車のような軽快電車風の新車を導入し、一部の経年車両の置き換えを図ったものである。
1982年に8201・8202の2両が日本車輌製造にて製作された。8201は「しらかわ」、8202は「火の国」の愛称名が付けられている。熊本市電では1960年に新製した350形(現・1350形)以降、自局発注の新車がなく、本形式が22年ぶりの新車となった。
構造
車体・車内設備
スクエアな造形の全金属製車体である。前面窓は大形一枚窓で、前面両端下部に前照灯と尾灯を配置している。窓配置はD3D3の左右非対称形で、下段上昇・上段下降式のユニット式アルミサッシ窓、2枚折り戸を2組用いた両開き式4枚扉の中央扉、2枚折り戸の左扉、電動式大型方向幕など、長崎電気軌道2000形との共通点が多い。
座席は1人掛けクロスシートとロングシートを組み合わせたセミクロスシートである。これも長崎電気軌道2000形と同じである。屋根上に冷房装置と補助インバータを搭載する。
中扉付近には連結運転を想定した車掌用設備が設け、側面系統幕も設置しているが現在は両方とも使用していない。(連結運転の詳細は後述)側面系統幕の使用中止後もアルミ製の側面系統表示板は取り付けられず、前面だけで行先を確認しなくてはならなかったが、A・B系統設定時に8800形(101も含む)・9200形・9700形・0800形と共に取り付けられた。 また、前面系統表示板の取付位置は電照式愛称板がある為、左側のままである。
塗装は白地に黄緑色の帯を配したものであり、この形で導入した車体色が現在の旧型車両の標準色となる。
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運転台
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車内
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車掌用設備
電装品・台車
本形式は営業用車両としては日本で初めてVVVFインバータ制御を採用していることで知られている。インバータ装置と交流モータは三菱電機が製造した。モータは120kWのかご形三相誘導電動機(MB-5008-A) を使用しており、1台車1モータ方式を採用している。路面電車ではVVVFインバータの採用に障害となる微弱電流の流れている軌道回路がなかったことから、VVVFインバータの採用が容易であった。
台車は日本車輌製で、緩衝ゴム支持方式コイルバネ台車である。1個が駆動台車(NS-18)で、もう1個は付随台車(NS-19)である。すなわちモータは1両につき1基のみである。本形式の8201と8202は線路上に逆向きになるよう配置されており、8201は健軍町側が動力台車、8202は田崎橋/上熊本駅前側が動力台車となっている。
付随台車側、すなわち8201の田崎橋/上熊本駅前側と8202の健軍町側には密着連結器(折りたたみ式)と電気連結器(形式表記の下に収納)が設けられており、2両を連結運転することができる。しかし、連結運転をすると辛島町電停西側のポイント操作において支障があるため、連結運転は試験運転として行われたのみで営業運転で実施されたことはない。
現況
2006年より製造当初からのVVVF装置が経年により順次交換され、IGBT素子を用いたVVVF装置が搭載された。
主要諸元
- 製造初年:1982年
- 全長:12,800mm
- 全幅:2,360mm
- 全高:3,900mm
- 自重:19.0t
- 車体構造:全金属製
- 定員(着席):70(25)人
- 電動機
- 出力:120kW×1基
- 駆動方式:直角カルダン方式
- 制御方式:VVVFインバータ制御方式