無酸素銅
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無酸素銅(むさんそどう、OFC:Oxygen-Free Copper)とは、一般的に酸化物を含まない99.95%以上の高純度銅のことを指す。日本工業規格では無酸素銅(JIS H 3100, C1020)および電子管用無酸素銅(JIS H 3510, C1011)が規定されている。
広くケーブルの導体として使われている純度99.9%(3N)程度のタフピッチ銅(TPC:Tough-Pitch Copper)と比較すると、より抵抗や歪みが少なく工業的に優れている。また、ガス放出が少ないために真空機器(ガスケット等)に広く使われている。
音響機器としての用途
音響機器や電子楽器の用途では、無酸素銅で作られた信号ケーブルをOFCケーブルと呼び、音源(レコードプレーヤー・CDプレーヤー・アンプ・楽器・マイクロフォンなど)、録音・編集機器(ミキシング・コンソール・エフェクター・DATなど)、出力機器(スピーカー・ヘッドフォンなど)を接続するために広く用いている。テンプレート:要出典範囲。また、より高純度なハイクラス無酸素銅(主に99.99995%(6N)以上の高価な無酸素銅)を用いて作られたケーブルも存在し、その価格は数万円から数十万円に到る場合もある。
ただし、タフピッチ銅と比べた場合、わずかな純度の差と音との関係は決して定量的に論証されてはおらず、最近では従来の常識に対して批判が投げかけられている[1][2]。
註
関連項目
- ハイクラス無酸素銅(Hi-OFC)
- 線形結晶無酸素銅(LC-OFC)
- 単結晶状高純度無酸素銅(PC-OCC)
- 江川三郎 - 「ケーブルで音が変化する」という説を提唱した人物