災異説

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災異説(さいいせつ)とは、意志をもったが自然害や常現象を起こして人に忠告を与えるという儒教の思想。

前漢陰陽家陰陽五行思想が儒家にとりこまれ、天と人が陰陽五行によって感応するという天人相関説にもとづく。董仲舒春秋公羊家によって主張され、『春秋』などの歴史書に記載された災異事件を当時の君主の失政や悪徳に対して天が譴責したものだと解釈した。後漢になると、占いの書である『易経』をもとにした易学者との交渉により、過去だけでなく将来発生する事件を予言する神秘的な讖緯説へと発展していった。