油条
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
油条(北京語: ヨウティヤオ、広東語: ヤウティウ)は中国式の細長い揚げパン。
概要
食塩、重炭酸アンモニウムを水で混ぜたものに小麦粉(薄力粉)を少しずつ加えながらこねて生地を作る。重炭酸アンモニウムの代わりに重曹を使う場合もあるが、発泡が少ないので、パフのような独特の食感を出しにくくなる。
しばらく寝かせた生地をのしてから包丁で 20-30cm ほどの棒状に切って伸ばし、半分に折って、高温の油でキツネ色になるまでさっと揚げる。
中国や香港、台湾などでの朝食に、豆腐脳(zh)、粥や豆乳の添え物としてよく食べられる。また中国料理の点心や飲茶の際に供されることもある。また、天津煎餅の中に巻いたり、飯糰(ファントゥアン、テンプレート:ピン音、テンプレート:注音)というおにぎりに包んで食べることも一般的である。
朝食を提供する食堂などで作られる食品で、パン屋で作られることはない。日本と英語圏では中華パンの一種として紹介されるが、中華圏では麺包(パン)とは呼ばれない。その製法からも厳密にはパンの仲間ではない。
腸粉で包んだものを炸兩(テンプレート:ピン音, テンプレート:エツピン) といい、広東で食べられる。
語源
別名炸油条、油炸鬼(テンプレート:エツピン, ヤウザーグァイ)、油炸檜ともいう。
名前のいわれとして、中国・宋の時代に、敵国であった金と内通して忠臣・岳飛将軍を冤罪で処刑したとされる宰相・秦檜夫婦の不正を憎むあまりに、人々が彼らに見立てて小麦粉で二本の棒を作り、油で揚げて「釜煎りの刑」にすることで恨みを晴らしたためと伝えられている。