殻模型

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殻模型(かくもけい)とは核構造を記述するモデルのひとつである。

原子核の周りの電子の運動は、「」という概念を通して理解できる。原子核の性質も、この「殻」という概念を通して理解することができる。これは、核子ポテンシャルの中で一粒子運動をしているという描像が成立することを意味している。しかし、核子間にはたらく核力は強い相互作用であるため、核子の運動が一粒子運動で記述できることは矛盾しているように思える。しかし、核子がフェルミ粒子であること、すなわち、パウリ原理がはたらくこと、核力が核子の平均自由行程にくらべて短いという短距離力であることからこの矛盾を克服することができる。

核子が他の核子が作る平均的なポテンシャル(平均場)の中を一粒子運動をしているという立場から1949年、ゲッパート=マイヤーイェンセンによってスピン・軌道力を導入したポテンシャルにおける一粒子運動を通して原子核の魔法数を説明することに成功した。この魔法数は、まさに電子の「殻」を通して現れる希ガスの存在に対応する。

この殻模型の成功を機に、核構造物理学という新しい分野を開くことになる。

この平均場近似の概念を発展させたものが、集団運動模型である。したがって、平均場近似と集団運動模型は、ほぼ同義である。しかし現在、シェルモデル計算と言えば配位混合による計算を指すので、用語に注意する必要がある。すなわち、平均場近似とシェルモデルとは物理の内容が異なる。

関連項目