機器分析化学
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テンプレート:出典の明記 機器分析化学(ききぶんせきかがく)は分析機器を用いた内容で、分光学や構造解析学をひっくるめた総称である。
IR(赤外分光法)、NIR(近赤外線分光法)、ラマン分光(ラマン効果を利用した方法)やNMR(核磁気共鳴スペクトル法)、MS(質量分析法)やX線スペクトル法、X線回折法などを取り扱う。
定量分析ではUV,VIS(吸光光度法)、蛍光光度法(蛍光光度計)、AAS(原子吸光法)、ICP発光分析法などを扱い、この他、クロマトグラフィーなどの分離分析法やボルタンメトリーなどの電気分析法も扱う。
その他、DSC等(熱分析装置:分子構造等に応じた、熱エネルギー変化を解析する)や、TOC計による全有機炭素の定量等もある。
また、近年の技術的な進歩に伴い、これらの装置を応用(組み合わせ、複合化)されている装置もある。(例としてはGC-MS等)
表1.機器分析にて使われる主な手法の一例[1]。
番号 | 実験方法 | 得られる情報/効果 |
---|---|---|
1 | 光散乱 | 分子量,拡散係数,回転半径 |
2 | 蛍光スペクトル | プローブ分子が存在するミクロ環境の性質 |
3 | 円偏光二色性スペクトル | αヘリックス含量,βシート含量 |
4 | 沈降速度 | 沈降係数,分子の形,ストークス半径,試料の純度 |
5 | 沈降平衡 | 分子量,試料の純度 |
6 | 電気泳動 | 試料の純度 |
7 | ゲルクロマトグラフィー | ストークス半径,試料の純度 |
8 | 電子顕微鏡 | 分子の形 |
9 | ELISA | 特定の抗原や抗体の存在 |
10 | オートラジオグラフィー | 放射性元素の組織内での分布 |
11 | SDS電気泳動 | 分子量 |
12 | 核磁気共鳴吸収 | 分子の立体描造,βシート含量,プロトンの置かれた磁気環境 |
13 | X線結晶解析 | 分子量,αヘリックス含量,分子の立体描造,分子の形,βシート含量,原子間の距離 |
14 | アミノ酸 分析 | アミノ酸 含量 |
15 | エドマン分解 | N末端アミノ酸,アミノ酸配列 |
参考文献・脚注
テンプレート:Chem-stub- ↑ 猪飼 篤 (著),野島 博 (著) 「生化学・分子生物学演習」第一版, 東京化学同人 (1995/06)