横瀬車両基地
横瀬車両基地(よこぜしゃりょうきち)は、埼玉県秩父郡横瀬町横瀬3742-2に所在する西武鉄道の車両基地。西武秩父線横瀬駅に隣接する。
概要
1969年10月の西武秩父線開業に少し遅れて翌1970年1月、電気機関車と貨車の検修施設として開設された。特に貨車については全般検査まで行っていた[1]。車両検修業務以外では、解体線で廃車車両の解体を行っている。
これら配置車両は武甲山から産出される石灰石を積み出す貨物列車に使用されていたが、輸送手段の変更により1996年3月に貨物列車が廃止されたため、その後は主に保線用として残ったE31形電気機関車と貨車の検修を行っていた。しかし工事列車廃止に伴い貨車は2008年10月31日に全車廃車され、車両回送用として残ったE31形も2010年3月31日に全車廃車となったため、以後は車両検修の業務はほとんど無くなったとみられる。
毎年10月上旬には鉄道の日にちなむ一般公開イベント「西武トレインフェスティバル in 横瀬」が開催され(後述)、多くの鉄道ファンなどが集まり、池袋駅から横瀬駅に向かう臨時列車の運転も行われる。
設備概要[1]
- 敷地面積: 10,392 m²
- 構内線数: 7線(車1 - 車7番線)
- 検修棟: 4線引き込み(車3 - 車6番線)
- ピット: 45 m ×2本、24 m ×1本(ともに検修棟内)
一般公開
2012年現在、1994年から毎年1回一般公開イベントが行われている。当初から「西武トレインフェスティバル」の名称が用いられてきたが、2002年から「西武トレインフェスティバル(西暦)in 横瀬」の名称に統一されている。開催日は「鉄道の日」を記念し毎年10月の土曜日または日曜日で、近年では同月の第一日曜日に開催されることが多い(2012年は9月30日に開催[2])。なお2001年は西武園会場と当会場の2箇所で2日ずつ開催され、2009年には西武秩父駅構内でもE31機関車の展示が行われ、同駅最寄の商店街「西武秩父仲見世通り」でクハ5001形のカットモデルが展示された。
毎年6月に武蔵丘車両検修場で開催される「西武・電車フェスタ」、毎年8月に南入曽車両基地で開催される「南入曽車両基地 電車夏祭り」と並び西武鉄道の一般公開イベントの1つであるが、当車両基地はその設備上他の二つのイベントの様な体験イベント等は行われず、一番小規模なイベントと言える。
主な内容は保存車両の展示や撮影会、鉄道部品や鉄道関連グッズの販売、ミニSLの運転などで開催年により若干異なる。また、池袋駅(過去には西武新宿駅) - 横瀬駅の臨時直通列車が運転される[3]。
保存車両・保存構造物
テンプレート:Double image aside テンプレート:Vertical images list 検修棟内には以下の物品が保存されている。
静態保存車両
- 5000系クハ5503 - 初代レッドアロー。1999年に外観が新造時に近い姿に復元された。車内は廃車時の状態のままである。またクハ5504の運転台カットモデルも保存されている。
- 101系クハ1224 - 2010年11月まで多摩川線で運用されていた最後の101系低運転台車。保存にあたり車両の向きが変えられ、車体が登場時のイエローとベージュのツートンカラーに塗り直されている。
- 351系クモハ355 - 初の自社製造車両(初代501系)。1998年に外観を登場時に近い姿に復元し、番号を当時のモハ505にしている。
- E31形E31 - 大手私鉄が最後に新製導入した電気機関車。車籍があった時代から当イベントでは展示されていた。
- E851形E854 - 日本の私鉄で最大の電気機関車。
- E41形E43 - 元・青梅電気鉄道1010形→国鉄ED36形
- E51形E52 - 元・国鉄ED12形
- E61形E61 - 元・国鉄ED11形
- E71形E71 - 元・国鉄ED10形。2001年に国鉄 ED10 2 号機の姿に復元された。
- 4号蒸気機関車 - 西武鉄道の源流である川越鉄道から引き継いだ機関車。保存状態はかなり悪い。
- スム201形スム201 - 袋詰めセメント輸送用の鉄側有蓋車。
- ワフ101形ワフ105 - 有蓋緩急車。
動態保存車両
沿革
- 1970年(昭和45年)1月1日 - 横瀬検車区として開設。
- 1989年(平成元年)9月 - 所沢駅の構内改良工事に伴い所沢車両管理所が廃止となり、独立して横瀬車両管理所となる[1]。
- 後に横瀬車両基地に改称。
- 2001年(平成13年)7月9日 - 組織改正により、車両部池袋線車両所の管理下となる[6]。