極軌道
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極軌道(きょくきどう、英語:polar orbit)は、人工衛星等が地球などの天体の極の上空やその付近を通る軌道である。軌道傾斜角は、赤道に対してほぼ90度となる。対地同期軌道の場合を除いて、極軌道の衛星は周回ごとに異なった経度で赤道を通過する。
極軌道は、地図作成やリモートセンシング衛星、偵察衛星、気象衛星などでよく用いられる。この軌道の欠点は地球上に常に観測されている地点がないことである。
極軌道衛星では太陽同期軌道が取られる。つまり、連続したそれぞれの軌道は、それぞれの地点で1日の同じ時間に起こる。この事実は、気温のセンシングなどには特に重要である。同じ時間に通過するためには、軌道はできるだけ短く、低くする必要がある。しかし、数百km程度の低軌道では、大気に引きずられてすぐに減速してしまうため、良く使われる高度は1000km程度である。この軌道では、軌道周期は約100分となる[1]。太陽が照っている半分を周回するのにはわずか50分となり、大きくは時間がずれることはない。