札幌市交通局250形電車
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札幌市交通局250形電車(さっぽろしこうつうきょく250がたでんしゃ)とは、札幌市交通局が1961年に導入した札幌市電の路面電車車両である。
概要
車両番号 | 製造年月 | 種車 | 製造元 |
---|---|---|---|
251号 | 1961年6月 | 501~ 505号 |
苗穂工業 |
252号 | 泰和車輌 | ||
253号 | |||
254号 | 苗穂工業 | ||
255号 |
1961年(昭和36年)に登場した。251~255号の5両。一連の札幌スタイルと呼ばれる丸みの多い、正面1枚窓のデザインが採用された道産電車である。車体はD1020形と同一となり、210形~240形よりも全長が長く、また全高が低いため肩部の丸みが小さい。
札幌綜合鉄工共同組合で、廃車となった500形の主要機器を流用して製造された。集電装置は当初よりZ形パンタグラフであった。台車は330形と同様の上揺れ枕式に変更され、藤屋鉄工で製造された。
1999年(平成11年)7月より、3両が札幌市電で最初の広告電車として運行開始された。
改造
- ワンマン化
- 1970年(昭和45年)10月に全車ワンマン化され、識別のため、車体に蛍光色の赤帯が入れられた。
- 車体更新
- 1978年(昭和53年)~1980年(昭和55年)にかけて車体更新が実施された。車体形状に変化は無いが、側面の赤帯は白帯に変更され、裾部のステンレス製飾り帯は撤去された。
- 車体更新 (2)
- 1991年(平成3年)10月に253号、1992年(平成4年)8月に251号、10月に252号、1993年(平成5年)9月に254号、12月に255号が再び車体更新を受けた。更新工事は札幌交通機械が施工した。
- 運転席用の換気口と方向幕が一体化され、前照灯は腰部に2灯並べられたため、外観が大きく変化した。塗色は8500形と同様に変更された。
- 台車枠更新
- 251号、255号は2009年(平成21年)、254号は2010年(平成22年)に台車枠を道産台車から川崎重工業KW-188への更新を行っている。併せて屋根上の換気口撤去、天井への配線ダクト新設、3300形と同様のLED表示による車内案内装置の新設が行われている。252号、253号は当面未更新のまま使用される見込みである。
全面広告車両
2008年2月現在、251号がキュラーズ、252号がFRISK、253号が桑園自動車学校の全面広告車両となっている。また、過去に254号は札信販、255号はQooの全面広告車両だった。
主要諸元
- 全長:13,100mm
- 全幅:2,230mm
- 全高:3,515mm
- 自重:14.5t
- 定員:110人
- 出力・駆動方式:37.3kW×2・吊り掛け式
- 台車型式:札幌綜合鉄工共同組合上揺れ枕式
参考文献
- 『鉄道ピクトリアル No.852 2011年8月臨時増刊号<特集>路面電車』、電気車研究会、2011年