天体の出没
天体の出没(てんたいのしゅつぼつ)とは、天体が地平線(または水平線)の上に現れること、および、下に隠れることである。
一般に、天体の出没の時刻は、その天体の中心が地平線と重なった瞬間とする(太陽を除く)。
日の出・日の入り
太陽の出没は、現れる方を日の出(ひので)・日出(にちしゅつ)、隠れる方を日の入り(ひのいり)・日没(にちぼつ)という。
日の出・日の入りの時刻は、太陽の上端が地平線と重なった瞬間とする。すなわち、日の出は太陽が少しでも姿を現した時であり、日の入りは太陽が完全に隠れた時となる。日本においては、1902年まで、当時暦の編纂していた東京帝国大学(後の国立天文台)は、太陽の中心が地平線に重なった瞬間を日の出・日の入りの時刻として観測していたが、文部省の告示により、1903年以降は、太陽の上端へと変更することとなった。
日の出・日の入りの時刻は季節や場所によって変動する。日本では、日の出は夏至の1週間前頃が最も早く、冬至の半月後の年明けが最も遅い。日の入りは夏至の1週間後頃が最も遅く、冬至の半月前頃が最も早い。
大気などの影響により、日の出直前及び日の入り直後の数十分間は空が明るい。これを薄明(はくめい)という。
なお、日の出や日の入りに宗教的な意味合いを持たせる例もある。日本では1月1日の日の出を初日の出と称して特別視する。これは太陽神信仰により、世界中でも日の出/東を「生」「復活」、日没/西を「死」の象徴とする文化は多い。→死と再生の神
また、信仰の対象としての日の出を「御来光」と呼ぶ。→初日の出
月の出・月の入り
月の出没は、現れる方を月の出(つきので)・月出(げっしゅつ)、隠れる方を月の入り(つきのいり)・月没(げつぼつ)という。
月の出・月の入りの時刻は、月齢(正確には月相)により変動する。朔の時の月の出は日の出とほぼ同じ時刻であり、満月の時は日の入りとほぼ同じ時刻となる。満月を過ぎると月の出の時刻は段々夜遅くになって行き、立待ち月(旧暦17日)、居待ち月(18日)、寝待ち月(19日)などと呼ばれるようになる。