昆虫相撲
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昆虫相撲(こんちゅうずもう)とは、昆虫ないし身近な陸生節足動物同士を闘わせる遊びの総称である。虫相撲などとも言う。同種同性同士を闘わせる場合が多いが、異種を闘わせる場合もある。
おもな昆虫相撲
昆虫相撲と見なされ、様式化、体系化されている伝統文化は世界各地に存在し、以下のようなものがある。
- 闘蟋蟀 :中国。1200年の歴史を持つ伝統文化であり、コオロギのオス同士を闘わせる。「こおろぎ合戦」「コオロギ相撲」と和訳されるが、日本国内でははっきりとした風習としては殆ど体系化されていない。
- 蜘蛛合戦 :鹿児島県姶良市の加治木くも合戦・高知県四万十市など。コガネグモを闘わせる。
- ほんち :神奈川県横浜-川崎一帯。ネコハエトリを闘わせる。
- 座敷鷹 :延宝-享保の江戸。ほんちと同じくハエトリグモを使用する競技だが、クモ同士を闘わせるのではなく、クモがハエを狩る能力を競わせた。
- メンクワン:タイ王国。ヒメカブトムシを闘わせる。
- カブトムシ相撲:日本各地の夏の風物詩。カブトムシのオス同士、ないしカブトムシと大型のクワガタムシを闘わせる。子供たちがめいめい採ってきた個体を闘わせるもので、藁くず等で土俵を作っておこなわれることも多かった。どちらかの昆虫がひっくり返したり、場外に落としたり、対戦相手の昆虫が逃げ出したら勝ちである。地域によっては神社境内の祭り、縁日などで大会をすることもある。
現代日本のホビーとしての昆虫相撲
熱帯産の外国種を含むカブトムシやクワガタムシなどを戦わせる娯楽である。試合様式は概ね上記のカブトムシ相撲に準ずるが、体系化された文化としての歴史、伝統は殆ど無い。ムシキング等のデジタルビデオゲームから規範を得た異種格闘の意味合いが強い。愛好家同士もしばしば催されるテンプレート:要出典。実虫を闘わせるのではなく、バーチャルに闘いをシミュレートするゲームをプレイしたり、闘いの様子を収録したDVDを鑑賞する場合もある。
両者ともにもとはメスないしは餌場を奪い合うための手段として発達させた角や大アゴを、闘争心が旺盛であるため顔を合わせただけで戦う性質を利用する。
カブトムシは皮膚が発達した角を相手の腹下にいれ、持ち上げるようにして投げ飛ばす。頭角と胸角で挟んで投げ飛ばすこともある。前肢で振り払ったりもする。
クワガタムシはもともと採食のためのものが発達した大アゴで相手を挟み、投げ飛ばす。体を持ち上げることで大きく見せ、威嚇する。カブトムシと違い殺傷能力があるため注意が必要。多頭飼育(多数を同じ容器で飼うこと)がいけないとされる所以である。
ただし場合によっては体に傷ができることもあるため衰弱したりラベルがついている場合はきれいな状態で標本にすることができないため昆虫相撲をさせることを嫌う愛好家も多い。