指貫
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指貫
指貫(ゆびぬき)とは、裁縫に使用する道具。布を縫う際に指にはめて使用する。 洋裁用の釣鐘型の指貫と、和裁用の指輪型の指貫とがある。
日本には、中国から釣鐘型の指貫が伝えられたが、和裁の発達に従って、より力の入れやすい指輪型に変化した。
指貫の発祥ははっきりしない。裁縫の際に、指を保護するために革や布の端切れを巻いて使用したのが始まりと考えられているが、古い物は残っていない。基本的に作業者が必要に応じて手作りしていたが、金属製のものが市販されると市販品を使うことが一般的になり、指貫を作る習慣は廃れた。
指貫は欧米では結婚のお守りや女性に幸せをもたらすアイテムといわれており、金属製や陶器製の指貫は、コレクターズアイテムとして人気がある。そのため、観賞用の指貫が数多く作られ、マイセンやウェッジウッドなどのものもある。
近年、日本でも加賀友禅のお針子達が伝えつくっていたという真綿と絹糸から成る指貫が復興され手芸愛好者の中で指貫そのものの制作がひそかなブームとなっている。その柄は多岐にわたり美術鑑賞品としての要素が高い。
使用法
- 右手(利き手)の中指にはめ、針の背を押す。
- 左手(布を持つ手)の中指にはめる。刺繍をする際に、指に針が刺さるのを防ぐ。
- ビーズ手芸の際に左手の中指にはめ、カンや 9 ピンなどの輪をあける際の押さえに使う。