応用言語学
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テンプレート:Sidebar with heading backgrounds 応用言語学(おうようげんごがく、英語:applied linguistics)とは、一般に言語の獲得・習得、言語教育を研究対象とする学問のことである。
研究分野
現代言語学(理論言語学・記述言語学)で扱わない言語学理論を応用した言語研究は、大概応用言語学の範疇に入る。
- バイリンガリズム、多言語主義
- 語用論
- 文体論
- 異文化コミュニケーション論
- 通訳・翻訳学
- 言語テストとリサーチ
- 社会言語学
- 言語政策・言語計画
- 第二言語習得研究・言語教授法研究
- 談話分析
- 自然言語処理・機械翻訳・コーパス言語学
- 辞書学(Lexicography)
- 臨床言語学(Clinical linguistics)
- 法言語学(Forensic linguistics)
- 進化言語学(Evolutionary linguistics)
など
批判的応用言語学
この応用言語学(言語教育学)を疑問視し、多角的に捉えている学問領域に批判的応用言語学がある。現代言語学はそもそも記述的(現実的)であり、規範的(理想的)な教育と相反するにもかかわらず、言語学理論を言語教育に応用しようとしている応用言語学への批判的議論である。応用言語学の枠組みで言語教育を行うと、学習者は非政治的・非経済的な(言語が本来持っているイデオロギー性を黙殺した)環境で言語を学習することになり、言語帝国主義などを無意識かつ無批判に受け入れる社会を作り出す、という指摘もある[1]。
脚注
参考文献
- Pennycook, Alastair (2001), Critical Applied Linguistics, Lawrence Erlbaum Associates. ISBN 0-8058-3792-2
- 中村 敬 (2004)、『なぜ、「英語」が問題なのか?』、三元社
関連文献
- Norton, Bonny & Kelleen Toohey [eds.] (2004), Critical Pedagogies and Language Learning, Cambridge University Press. ISBN 0-521-53522-0
- 山内 進 (2003)、『言語教育学入門』、大修館書店。ISBN 4-469-24489-9