応報刑論
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応報刑論(おうほうけいろん)とは、刑罰は過去の犯罪行為に対する応報として犯人に苦痛を与えるためのものだとする考え方をいう。
絶対的応報刑論、相対的応報刑論、法律的応報刑論の3種が知られる。
絶対的応報刑論
絶対的応報刑論とは、刑罰は悪に対する悪反動であり、動と反動とは均衡していなければならず、悪反動であるからその内容は害悪でなければならないとする考え方をいう。いわば、刑罰によって犯罪を相殺しようとする考え方である。
カントによって主張され、刑罰の目的に関する絶対主義と結びついた。
相対的応報刑論
相対的応報刑論とは、刑罰が応報であることを認めつつも、刑罰は同時に犯罪防止にとって必要かつ有効でなくてはならないとする考え方をいう。刑罰の目的を考慮する点で絶対的応報刑論と異なっている。