同値
同値(どうち)または等価(とうか)とは、2つの命題が共に真または共に偽のときに真となる論理演算である。
英語ではequivalence (EQ)。「if and only if」を略して、iffともいう。否定排他的論理和 (XNOR) に等しい。
演算子記号は ⇔、↔、≡、=、EQ などが使われる。
性質
同値の基本的な性質は以下のとおり。<math>\Rightarrow</math>は論理包含(ならば)、<math>\land</math>は論理積(かつ)。
- 反射律: <math>p \Leftrightarrow p</math>
- 対称律: <math>(p \Leftrightarrow q) \Rightarrow (q \Leftrightarrow p)</math>
- 推移律: <math>\{(p \Leftrightarrow q) \land (q \Leftrightarrow r)\} \Rightarrow (p \Leftrightarrow r)</math>
他にも次のような性質がある。<math>\lnot</math>は否定、<math>\veebar</math>は排他的論理和。
- 反対称律: <math>\{(p \Rightarrow q) \land (q \Rightarrow p)\} \Rightarrow (p \Leftrightarrow q)</math>
- <math>(p \Leftrightarrow q) \Leftrightarrow \lnot (p \veebar q)</math>
真理値表
命題 P | 命題 Q | P ⇔ Q |
---|---|---|
真 | 真 | 真 |
真 | 偽 | 偽 |
偽 | 真 | 偽 |
偽 | 偽 | 真 |
概要
p ⇒ q が真であるとき、 テンプレート:Indent テンプレート:Indent などという。 p ⇔ q が真であるとき、「 p は q である為の必要十分条件である 」、「 p と q とは同値である 」などという。
なお数学で、ある集合の2つの元が同値関係にあるとき、それらは互いに「同値である」と言うことがあるが、それとは区別すべきものである。ただし、2つの命題が同値であるという "関係" は同値律を満たすので "命題の全体" における "同値関係" になっている。
例
⇒ と ⇔ の真理値表を用いて、 ( p ⇔ q ) ⇒ ( q ⇔ p ) が真であることを示そう。 p が真で q も真である場合、 ⇔ の真理値表より p ⇔ q と q ⇔ p とは共に真であるから、 ⇒ の真理値表より ( p ⇔ q ) ⇒ ( q ⇔ p ) は真である。 p が真で q が偽である場合、 ⇔ の真理値表より p ⇔ q と q ⇔ p とは共に偽であるから、 ⇒ の真理値表より ( p ⇔ q ) ⇒ ( q ⇔ p ) は真である。 p が偽で q が真である場合、 ⇔ の真理値表より p ⇔ q と q ⇔ p とは共に偽であるから、 ⇒ の真理値表より ( p ⇔ q ) ⇒ ( q ⇔ p ) は真である。 p が偽で q も偽である場合、 ⇔ の真理値表より p ⇔ q と q ⇔ p とは共に真であるから、 ⇒ の真理値表より ( p ⇔ q ) ⇒ ( q ⇔ p ) は真である。以上より、いずれの場合でも ( p ⇔ q ) ⇒ ( q ⇔ p ) は真である。