平井輝七
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平井 輝七(ひらい てるしち、1900年 - 1970年)は、日本戦前を代表する前衛的な写真家のひとり。
アマチュア写真家として、「浪華写真倶楽部」、「丹平写真倶楽部」、「アヴァンギャルド 造影集団」などのグループで活躍。
平井は、フォトモンタージュや彩色を駆使した、極めて幻想的なシュルレアリスム的作品を得意とする。「月の夢想」、「モード」、「生命」などの作品は、他に類例のない、独自の幻想世界を構築しており、日本戦前の写真作品全体にとっても、代表作といってよい。
平井輝七の作品「月の夢想」について、飯沢耕太郎はその著書(「写真に帰れ 光画の時代」、平凡社、1988年)で、「江戸川乱歩の小説のような幻想世界を作りあげている」「『前衛写真』の記念碑的な作品」と評している(116ページ)
主要参考文献
- 『日本のシュールレアリスム展』展覧会カタログ(名古屋市美術館・1990年)182ページ~191ページ
- 「日本近代写真の成立と展開」展カタログ(東京都写真美術館・1995年)
- 日本写真家事典(東京都写真美術館・執筆・監修、淡交社、2000年)263ページ
- 日本の写真家 近代写真史を彩った人と伝記・作品集目録(東京都写真美術館・監修、編集・発行・日外アソシエーツ、2005年)341ページ
そのほか、展覧会カタログは存在しないが、「コラージュとフォトモンタージュ」展(東京都写真美術館、2006年)でも、平井作品が展示され、「生命」がチラシに用いられている。[1]/[2]/「生命」の図版あり