小町算
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
小町算(こまちざん)は数の遊びである数学パズルの一種。1□2□3□4□5□6□7□8□9 = 100 という数式の□の中に、+,-,×,÷,空白 のいずれかを一つずつ入れて正しい数式を完成させるというものである。方程式などは解法が研究されており、虫食い算、覆面算も繰り上がりなどを手がかりに答えを絞り込んでいけるが、小町算はそのような解法はなく、ひたすらトライ&エラーで答えを探すしかない。
なお、以下のように規則を変えて出題されることもある。
名称の由来
- 小野小町のように美しい数式という意味
- 小野小町の下に九十九夜通いつづけた深草少将を偲んで
- はまってしまうと結構おもしろくて時間のたつのも忘れてしまうので、こんなものに没頭すると知らないうちにおばあさん(おじいさん)になってしまうぞという意味。小野小町の歌「花の色はうつりにけりないたづらに、我が身世にふるながめせしまに」から。
などの説がある。江戸時代の寛保年間(1743年頃)には既に知られていた[2]。
解答例
- 正順
- 1+2+3-4+5+6+78+9=100
- 123-45-67+89=100
- 1×2×3×4+5+6+7×8+9=100
- 1+2+3+4+5+6+7+8×9=100
- 1×2×3-4×5+6×7+8×9=100
- 123+45-67+8-9=100
- 逆順
- 98-76+54+3+21=100
- 98+7-6+5-4+3-2-1=100
- 98+7-6×5+4×3×2+1=100
その他
欧米ではセンチュリーパズルと呼ばれる問題がある。1~9の数を1つずつ使用し、帯分数の形で100を表すものである。
<math>96 + {1428 \over 357} = 100</math>
<math>3 + {69258 \over 714} = 100</math>
などがある
イギリスのヘンリー・E・デュードニーによって、11解が発表されている。
脚注
参考文献
- 『新数学事典』大阪書籍(VII. 数学特論、3. 興味ある数学問題、§3.1 整数の問題、pp.903-904.) ISBN 4-754-82009-6
- 数学セミナー編集部/編『数学100の問題 数学史を彩る発見と挑戦のドラマ』日本評論社 ISBN 4-535-60614-5
関連項目
外部リンク
- 日経サイエンス創刊400号記念パズル 日経サイエンスの創刊400号記念時に行われた、計算結果を400にする小町算、および、それを大幅に変形した数学パズル。