大阪府都市開発7000系電車
テンプレート:出典の明記 テンプレート:鉄道車両 大阪府都市開発7000系電車(おおさかふとしかいはつ7000けいでんしゃ)は、大阪府都市開発(現在の泉北高速鉄道)が保有する通勤形電車の1形式である。
本項では、2007年に登場した7020系電車についてもここで記載する。
概要
老朽化した100系の置き換えを目的として、1996年に登場した。
制御装置にはIGBT素子のVVVFインバータ制御装置を搭載し、台車はボルスタレス台車を装備。パンタグラフには新たにシングルアーム式のものを採用した。
車体は川崎重工業製のアルミ合金製で、全体的に丸みを帯びたデザインとなっている。前面には両開きのプラグ式外扉を装備した自動併結式の貫通扉を設置し、柔軟に編成を組成できるようになっている(この構造を活かして平日朝の10両編成にも運用されている)。営業運転開始直前に先頭車側面の濃青のラインの窓下部分に「SEMBOKU」のロゴを貼り付けた(既存の3000系・5000系にもこの時から車体に「SEMBOKU」のロゴが付けられた)。
また、関西国際空港開港に備えて南海電鉄が車両限界を拡大したことにより、5000系よりも車体幅が最大で約10cm大きくなっており、裾絞りのある車体断面となった。
車内は5000系を基本とし、座席仕切りにスタンションポールを設置するとともに、棚をパイプ棚に変更した。また、車いす対応スペースが先頭車にも確保されている。
7505編成以降と旧7511編成は、側面の車両番号表記がプレート式から突起式に変更された。
50番台
本系列の運用をさらに柔軟にするため、2005年に当時4両編成だった7511編成の先頭車を改造し、2両編成の増結車として登場した。改造に伴い、車体番号が7511-7512から7551-7752に改番され、7512を改造した7752は制御車から制御電動車となった。なお、パンタグラフは制御車の7551に装備されている。これは7020系2両編成についても同様である。
この改造によって余った中間車2両は7509編成に組み込まれ、同編成は6連化された。車体番号は7006が7202, 7106が7602(電動車から付随車化)となった。そのため7106の電装品を廃棄せずにそのまま7752に提供した。
在籍数
1996年から1998年にかけて3回に亘って製造され、2007年現在、6両編成が2編成、4両編成が3編成、2両編成(50番台)が1編成の計26両が在籍・運行している。
7020系
テンプレート:鉄道車両 車齢約30年に達していた3000系初期車両を置き換えるために、2007年より製造されている、大阪府都市開発(泉北高速鉄道)では11年ぶりの新形式である。川崎重工業が製造を引き続き担当した。
7000系との差異点
- 乗務員室は仕切りを350mm客室側に移動し、乗務員室長を2000mmに拡大した。
- 前面の両開きのプラグ式外扉が廃止され、幌が剥き出しとなった。また難燃性基準の改正により樹脂製の蛍光灯カバーが廃止され、客室内蛍光灯が露出している。また、蛍光灯本数は削減された。
- 乗降扉は、外部は塗装を施された従来の方式とし、室内部は化粧板を廃止した。
- ラインデリア整風板が両端の角に丸みがあるものに変更されている。
- VVVFインバータ制御装置は従来車の3Lv-IGBTから2Lv-IGBTに、VVVF装置が純電気ブレーキ対応に変更されている点などが異なる。
- 従来車では前照灯は腰部に標識灯とともにライトケースに収められた状態で存在した(上記、在来車の写真参照)が、これを上部の種別表示器・行先表示器の隣に配置し、HIDを採用した。
- 標識灯は在来車に近い位置に設置されたが、四角いタイプの単独型となった。
- 車内の座席仕切りを大型のものに変更した。ただし、内側のくぼみがない直線的なスタイルである。
- スタンションポールを7人掛け座席中間部にも追加設置している。
- つり革吊手は丸形(○)から三角形(△)に形状変更。優先座席側は従来の白色からオレンジ色に変更。
- 混雑時の対策として出入口扉付近につり手を追加している他、つり手の高さを2種類から3種類とし、従来より高さの低いつり手を設置している。
- 窓にはブロンズ色から濃緑色に変更し、UVカットガラスを採用している。
- 車内案内装置は、従来のLED式から液晶ディスプレイ式のものに変更した。従来のLEDと同じドア上の千鳥式配置で、現在は案内用の1台のみ設置されているが、2画面対応の準備工事も施されている。走行中にその液晶ディスプレイを見ながら、駅ホームの階段・エレベーター・エスカレーターの位置や車両の停車ポジションなども一目でわかるようになっている。また、実際に乗って座っていながらにしてどの付近を走っているかを把握できるようになり、過去に新幹線0系電車や国鉄151系電車で一時的に採用され、以後あまり出現しなかった列車位置表示器がその液晶ディスプレイと兼用される形で実質上復活した。
- 表示は小田急4000形などに近いが、次駅にフリ仮名が併記された仕様になっている。
- 座席モケットは模様入りの紫に近いものに、優先座席のモケットの色は従来のグレーからオレンジ色に変更された。
- 1人あたりの座席幅は従来の440mmから460mmへと拡大した。
- 価格は6両1編成で9億円(1両あたり約1億5千万円)である。
動向
- 1次車の6連1編成は、2007年2月下旬に陸送にて搬入し、同月28日までに光明池検車区での搬入作業を完了した。3月6日より試運転が行われ、4月30日より営業運転を開始した。
- 2次車は2008年3月に2連・4連・6連各1編成の計12両を製造、陸送にて搬入し、それぞれの試運転終了後、3月31日より順次営業運転を開始した。
在籍数
2008年4月現在、6両編成が2編成、4両編成が1編成、2両編成が1編成の計18両が在籍・運行している。
外部リンク
- 車両図鑑「7000系」 - 泉北高速鉄道
- 車両図鑑「7020系」 - 泉北高速鉄道
- 編集長敬白アーカイブ 泉北高速鉄道7020系誕生。 - 鉄道ホビダス