吉野朔実

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:Sidebar with collapsible lists

吉野 朔実(よしの さくみ、1959年2月19日- )は日本の漫画家である。大阪府出身。血液型O型。

父の転勤で、熊本、東京などを転々とする。1980年に「ウツよりソウがよろしいの!」(ぶ〜け)でデビュー。『ぶ〜け』誌を中心に作品を発表していたが、集英社との専属契約が切れたため、小学館の雑誌に活動の場を移している。 『瞳子』で青年誌にも進出した。

1985年から『ぶ〜け』に連載された「少年は荒野をめざす」と、引き続いて1988年より『ぶ〜け』に連載された『ジュリエットの卵』が代表作。クールで分析的な作風で、しばしば心理学を題材とする。青年期のアイデンティティ・クライシスを描くために、直接的・間接的に双子を扱った作品が多い。

作風は、松苗あけみ山本直樹の影響を受けたと語っており、歌人の穂村弘や精神科医の春日武彦との交友関係が知られている。

文学にも造詣が深く、『本の雑誌』で書評エッセイを連載するほか、NHKの書評番組である『週刊ブックレビュー』にも、過去数回、書評者として出演している。

作品リスト

漫画

  • グル―ビーナイト(1982年)
  • 月下の一群(1983年)
  • 月下の一群PART2(1984年)
  • 王様のDINNER
  • HAPPY AGE(1985年)
  • 少年は荒野をめざす
  • ジュリエットの卵
  • 天使の声(1989年)
  • La Maschera(ラ・マスケーラ)(1990年)
  • いたいけな瞳(1991~1993年)
  • Eccentrics(エキセントリクス)(1993年 - 1994年)
  • 恋愛的瞬間(1996年 - 1997年)
  • ぼくだけが知っている(1996年 - 1998年)
  • 瞳子(2001年)
  • グールドを聴きながら(2001年)
  • 栗林かなえの犯罪(2001年)
  • 記憶の技法 (2002年)
  • 透明人間の失踪(2003年)
  • Period(ピリオド)(2004年 - )1巻 - 4巻(未)

絵本

  • プレゼントをあげる(大和書房、1999年)
  • ましまる おかえりなさいをきくまでは(大和書房、2001年)

カバーイラスト

挿絵・挿入漫画など

  • つまらない人生入門 (鬱屈大全)(アスペクト春日武彦、2011年)
  • 精神のけもの道―つい、おかしなことをやってしまう人たちの話(アスペクト、春日武彦、2008年)
  • 「治らない」時代の医療者心得帳―カスガ先生の答えのない悩み相談室(医学書院、春日武彦、2007年)
  • 精神のけもの道―つい、おかしなことをやってしまう人たちの話(アスペクト、春日武彦、2008年)

エッセイ

  • こんな映画が、吉野朔実のシネマガイド(パルコ出版局、2001年)
  • 眠れない夜には星を数えて(大和書房、1996年)
  • お父さんは時代小説(チャンバラ)が大好き(本の雑誌社、1996年)(角川文庫、2002)
  • お母さんは「赤毛のアン」が大好き(本の雑誌社、2000年)(角川文庫、2004年)
  • 弟の家には本棚がない(本の雑誌社 2002年)
  • 犬は本よりも電信柱が好き(本の雑誌社 2004年)
  • 本を読む兄、読まぬ兄(本の雑誌社 2007年)
  • シネコン111 吉野朔実のシネマガイド(エクスナレッジ、2007年)
  • 狂気な作家のつくり方(本の雑誌社 2009年、平山夢明と共著)
  • 神様は本を読まない(本の雑誌社 2010年)
  • 悪魔が本とやってくる(本の雑誌社 2013年)