半ドン
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テンプレート:Cleanup 半ドン(はんドン)とは、午前中に業務・授業が終了し午後が休みの早期終業のことを指す日本での俗称。
語源
主に3説ある。
- 江戸時代末期、長崎県出島よりオランダ語で日曜日または休日を意味するzondagという言葉が伝わり、訛ってドンタクになり、半分のドンタクなので「半ドン」と呼ばれるようになった[1][2]。
- 明治時代より太平洋戦争中にかけ、正午に午砲(空砲)を撃つ地域があり、半日経った時間に「ドン」と撃つことから「半ドン」と呼ばれるようになった[2]。
- 半分休みの土曜日と言う意味で「半土」と言う言葉が生まれ、それが転じて「半ドン」と言われるようになった[2]。
経緯
1850年のイギリスの工場法改正により立法化され、日本には1876年(明治9年)に日曜日全休とともに官公庁に導入された。 概ね1980年代頃まで、多くの官公庁・企業・学校で土曜日は半ドンであったが、その後週休二日制が導入されて定期的な早期終業が少なくなり、今日では死語になりつつある[2]。
類似用語
花金(はなきん)
「花(華)の金曜日」を略した俗称。バブル景気の頃、金曜日は通常一週間で夜まで働く最後の日に当たり、翌日を気にせずに会社帰りに仕事仲間と酒を飲める日であったため、サラリーマンが羽を伸ばせる日であった。しかし、景気が衰退するとともにあまり使用されなくなり、半ドンと同じく死語になりつつある。
また、英語でも似たような言葉に、TGIF (Thank God It's Friday) がある。
その他
- 梅崎春生が書いた短編小説「午砲(ドン)」が、1984年(昭和59年)度版三省堂「現代の国語」中学3年に掲載されていた。
- 戸川純のアルバム「玉姫様」の収録曲「諦念プシガンガ(ていねんぷしがんが)」の詞に「空に消えゆく お昼のドン」という一節がある。