十三経

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テンプレート:儒教テンプレート:儒家経典 十三經(じゅうさんけい、じゅうさんぎょう)は、儒家が重視する経書13種類の総称。代に確定した。

概要

従来、儒家経書六経があったが、このうち『楽経』は早くに亡んで代には五経となった。後漢になるとそれに『論語』と『孝経』を加えて七経とした。五経のうち『礼』に三礼、『春秋』に三伝あるので、分けて九経とすると十一経となる。代、それに『爾雅』が加えられ、宋代には『孟子』が加えられて十三経となった。またこれに『大戴礼記』を加えて十四経とすることがある。

その内訳は、下記の通り。

これらのうち

  • 『周礼』『儀礼』『礼記』をあわせて「三礼」と呼ぶ。
  • 『春秋左氏伝』『春秋公羊伝』『春秋穀梁伝』をあわせて「春秋三伝」と呼ぶ。
  • 『論語』『孟子』『大学』『中庸』をあわせて「四書」と呼ぶ。

十三経注疏

十三経に対して漢以来の権威ある注疏を選んで集成した書物を『十三経注疏』(じゅうさんけいちゅうそ)という。の『五経正義』もこれに収められている。もともとは『十三経注』と『十三経疏』が別行していたが、南宋末、これを一つに合刻して刊行した(十行本)。刊本には十行本以降、正徳本・閩本・南監本・北監本・汲古閣本・武英殿本・阮元本などがあり、阮元の刊本がもっとも善本である。

従来、中華書局『點校本二十四史』は毛澤東の指示と周恩來の統括により(四部叢刊より抽出出版した)「百衲本二十四史」を底本として編集し、1977年11月全部の刊行を見たもので、これが標準として使われてきた。

2000年、北京大学出版社が十三経注疏整理委員会(李学勤主編)の『標点本十三経注疏』を出版した。李学勤本は阮元の原刻「嘉慶二十年開雕本」を複印した道光本を更に複印した石印を更に影印した世界諸局影印本を底本として清の孫星衍の校勘記で校勘したもので、「簡体版」と「繁体版」がある。

ほぼ同時期に、台湾の新文豐出版公司より「中華叢書」として『十三経注疏分段標點本』(國立編譚館主編)が公刊されている。これは阮元の原刻「嘉慶二十年開雕本」が底本であるが、阮元の原刻本の過誤を改めていない場合もある。

北京大学出版社版も新文豐出版公司も、乾隆四年刊の殿版は参照していない。また、標點句読が中華書局版に劣る部分もある。

書名
周易正義 王弼)、但し繋辞伝説卦伝序卦伝雜卦伝韓康伯)の註で補い、敷衍している。 孔穎達
尚書正義 孔安国前漢 孔穎達
毛詩正義 毛亨毛萇前漢 鄭玄後漢 孔穎達
周礼注疏 鄭玄後漢 賈公彦
儀礼注疏 鄭玄後漢 賈公彦
礼記注疏(礼記正義) 鄭玄後漢 孔穎達
春秋左伝注疏(春秋正義) 杜預西晋 孔穎達
春秋公羊伝注疏 何休後漢 徐彦
春秋穀梁伝注疏 范寧西晋 楊子勛
論語注疏 何晏 邢昺北宋
孟子注疏 趙岐後漢 孫奭北宋
孝経注疏 玄宗 邢昺北宋
爾雅注疏 郭璞西晋 邢昺北宋