北海道旧土人保護法

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北海道旧土人保護法(ほっかいどうきゅうどじんほごほう、明治32年3月2日法律第27号)は、廃止された日本法律である。

概要

1997年(平成9年)7月1日アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律(1997年(平成9年)法律第52号、アイヌ文化振興法)の施行に伴い廃止された(附則2条)。同時に、旭川市旧土人保護地処分法(1934年(昭和9年)法律第9号)も廃止された。

この法律は貧困にあえぐ「北海道旧土人」(アイヌ民族)に対する保護を名目として作られたもので、土地医薬品埋葬料、授業料の供与などが定められていた。この法律は、「貧困にあえぐアイヌ民族の保護」を名目としていたが、実際にはアイヌの財産を収奪し、文化帝国主義同化政策を推進するための法的根拠として活用された。具体的には、

  1. アイヌの土地の没収
  2. 収入源である漁業・狩猟の禁止
  3. アイヌ固有の習慣風習の禁止
  4. 日本語使用の義務
  5. 日本風氏名への改名による戸籍への編入

等々が実行に移された[1]

関連項目

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脚注

  1. 常本 照樹「アイヌ民族をめぐる法の変遷―旧土人保護法から「アイヌ文化振興法」へ」 (自由学校「遊」ブックレット 2000年)