北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会
テンプレート:出典の明記 テンプレート:Infobox 組織
北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(きたちょうせんにらちされたにほんじんをきゅうしゅつするためのぜんこくきょうぎかい)は、日本の市民団体。北朝鮮による日本人の拉致被害者を救出する目的で、拉致被害者の親族や友人により結成された。通称は「救う会」。
概要
1998年4月より活動を開始。法人格は取得しておらず、任意団体として活動している。大学教授などの有識者や朝鮮半島関連の研究者も参加している。また、与野党の国会議員で結成された「北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟」(拉致議連)とも連携して活動を行っている。
拉致議連に保守派とされる政治家が多く参加していることから、救う会も保守系の団体と見られることが多い。佐藤勝巳元会長は、「思想や立場の如何を問わず北朝鮮に拉致された日本人を救出することに同意する人なら誰でも参加できる」と述べ、初期には左派の人物も参加していたが、現在はそのほとんどが袂を別っている。
問題点
右翼の活動家、時には暴力団員や新宗教団体関係者などが活動に参加するケースもある。国民運動団体を目指して活動する為、特に運動を始めた初期からの会員は元共産党員などの転向者が多いことと、右翼団体の構成員が同居しており、これが原因で内部分裂に陥った地方組織も存在する[1]。元会長佐藤勝己によれば、西岡力(現会長)、島田洋一(副会長。福井県立大教授)、増元照明らがカンパ費で飲食しており、「救う会」「家族会」で問題になっている(「拉致問題との関わり」(15)、「統一日報」2013年10月17日掲載)。元会長佐藤勝巳は2008年6月16日に電子メールで平田隆太郎事務局長に、西岡力氏が外国に行くとき、「ビジネスを使っていると活動家から聞いたが本当か」と問い合わせたがその返事はいまだに来ていない。元会長佐藤勝巳の会長解任劇はその2週間後に起きた。家族会の増元氏が「救う会」の、平田隆太郎氏は家族会の会計監査であり、両氏が意を通じれば、会長が知らない間に国内はグリーン車、航空機はビジネスクラスを使用(国会議員から偶然聞いた)できる仕組みになっていた(「拉致問題との関わり」(11)、「統一日報」2013年9月19日掲載)。
元会長佐藤勝巳によれば、「救う会」の中で三重、奈良、島根、徳島、秋田が反主流に属する。反主流勢力と西岡力(現会長。東京基督教大教授)、増元照明氏が連合して佐藤排除に動いた。佐藤を排除しなければ、彼らが「救う会」というブランドを使用できなくなる(「拉致問題との関わり」(15)、「統一日報」2013年10月17日掲載)。また「救う会」は、主流・反主流とも家族会の人気に依存し、運動を進めている集団である(「拉致問題との関わり」(16)、「統一日報」2013年10月30日掲載)。
元会長佐藤勝巳によれば、西岡力現会長は平田隆太郎事務 局長とともに、横田滋元「家族会」代表、増元照明事務局長に身を寄せ、組織内部で佐藤勝巳の意見を抑えてきた(「拉致問題との関わり」(12)、「統一日報」2013年9月28日掲載)。
元会長佐藤勝巳によれば、横田滋氏はNGOレインボーブリッジの小坂浩彰氏としばしば飲食をし、運動の内部情報を小坂氏を通じて北に流している。佐藤氏は激怒し、横田滋氏を家族会代表から更迭すべきと主張したが、西岡力現会長と平田隆太郎事務局長は「そんなことはできない」と頑強に反対した(「拉致問題との関わり」(19)、「統一日報」2013年11月20日)。佐藤勝巳は西岡力現会長と平田隆太郎事務局長が横田滋氏を辞めさせられないから、北に甘く見られるのは当然だと述べている(「拉致問題との関わり」(19)、「統一日報」2013年11月20日)
元北朝鮮工作員安明進は、自分がマスコミに出る際のギャラはほとんど救う会が受け取っていたこと、救う会側に頼まれて白紙の領収書にサインしたことも何度もあったと述べている。救う会はこれを全面否定している(「私の悪行、日本人の悪行」、「週刊現代」2007年12月22・29日号、p197)。
佐藤勝巳元会長と西岡力現会長は、ある篤志家から佐藤勝巳に渡った1000万円の使途をめぐる疑惑発覚当時、情報収集のために使ったと主張していた。そのうち970万円は北朝鮮元工作員安明進氏に渡ったと説明し、領収書も明らかにしていた。しかし、週刊新潮2006年10月12日記事「『救う会』を特捜部に告発する『告発テープ』」によれば、安明進氏は次のように述べている。「1000万円は間違い。1000万円というのはウソです」。領収書について、安明進氏は次のように述べている。「内容もわからないものにサインするのは絶対に嫌だと言ったが、結局、金額も何も記していない紙にサインをして渡してしまった。西岡さんは"このことは言わないほうがいい"と言っていた」。「救う会」はこの記事を全面否定している。
同会のホームページには、平成14年から24年までの「決算報告」が掲載されているが、勘定科目の中にいくつかの支出が合算されて計上されており、それぞれがいくらなのか不明である。例えば、平成24年決算報告には「国際活動費」が969万8360円と出ている。備考欄を見るとこれは「外国派遣・招聘」「通訳・翻訳費」「情報収集費」から成るようだが、それぞれがいくらなのかわからない。「外国派遣」「情報収集」とは何を意味するのか不明である。
平成19、20年「決算報告」には「雑支出」としてそれぞれ106万3100円、212万2772円と記載されているが、「雑支出」の意味が記載されていないので中身は不明である。「雑支出」という項目の備考が、再び「雑支出」となっている。「備品費」「消耗品費」「手数料」「旅費交通費」「通信発送費」「印刷費」「手数料」という勘定科目は別に記載されているので、これらに相当しない雑な支出をしたことになる。平成14年「決算報告」では「雑支出」は備考欄で「振込手数料」と記載されていた。平成15年「決算報告」では「手数料」という勘定科目が新設され、そこに「振込手数料」が入っている。平成15年「決算報告」以降、平成20年「決算報告」まで「雑支出」という勘定科目の備考欄は「雑支出」と記載されているだけなので、中身は不明である。平成21年の「雑支出」の備考欄には「弁護士費用」「慶弔費」「雑支出」とある。平成22、23年「決算報告」の「雑支出」の備考欄は「慶弔費等」になっている。
同会の規約がホームページには掲載されていないので、カンパやバッジ販売で得た資金を誰がどのような権限で、どんな支出基準により配分しているのか不明である。メールニュースには米国や韓国を同会の取り組みとして訪問した役員名が明記されているが、誰がどんな権限と基準で「海外派遣」や「情報収集」を決定しているのか不明である。
「情報収集」の結果、どんな情報が得られているのかについて、ホームページやメールニュースには説明はない。メールニュースによれば、同会は拉致された可能性のある人物の写真を入手しているようだが、それが「決算報告」に記載されている「情報収集」の結果なのかどうかは不明である。「情報収集」という語の定義が「決算報告」にはない。
支出に関する規定が同会に存在するかどうか、不明である。支出規定が存在しなければ、ある支出が適正になされているかどうか判断できないから、通常の企業や法人で行われている「会計監査」は困難である。財務諸表が作成されていないなら、「会計監査」は成立しない。
佐藤勝巳がなぜ会長を解任されたのかについて、同会からの説明はない。会長など役員の解任規定が存在するのかどうか不明である。
同会に対しカンパの使途や資金配分決定権限の所在の情報開示を要求する制度については、ホームページには掲載されていない。
同会はメールニュースで平成11、12、13年の「決算報告」を配信していた。平成15年末には貸借対照表をメールニュースで配信していた。現在のホームページの「決算報告」の欄でこれらが掲載されていない理由は不明である。貸借対照表はその後発表されていない。平成14年末には財産目録をメールニュースで配信していた。財産目録はその後発表されていない。 平成14年「決算報告」まではカンパの口数が記載されていた。その後の「決算報告」ではカンパの口数は記載されなくなったが、理由は不明である。 平成15年「決算報告」以後、「国際活動」の中に「情報収集」という項目が入るようになった。それまでの「決算報告」にはこの記述はない。平成14年までの「決算報告」とそれ以後の「決算報告」は、勘定科目の内容が多少異なっているようだが、言葉の定義がどこにもないので詳細は不明である。
役員
(2012年10月14日現在)
関連項目
脚注
- ↑ 住吉会系右翼団体(右翼標榜暴力団)「日本青年社」の幹部・水野孝吉は「新潟救う会」の幹部をも務めており、これが原因で「新潟」は分裂する騒ぎになっている。また、建国義勇軍・国賊征伐隊による脅迫・爆破事件に関与していた木村岳雄が「救う会熊本」の理事に就任していた。「救う会いばらき」の代表幹事は暴力団員を運動に参加させたとして、2006年9月に本部幹事の役職停止とされている。更に「いばらき」会員には在日特権を許さない市民の会副会長・維新政党・新風の地方組織幹部を務める人間もいる。2008年2月には「救う会鹿児島」が一部役員と被害者家族の対立により、会名は残しての解散(07年末付)、以後の活動は有志によることを決めている。