分詞
分詞(ぶんし)は準動詞の一種であり、動詞が形容詞としての用法をあわせ持つものである。分詞には現在分詞と過去分詞、ラテン語や古典ギリシア語などには未来分詞がある。分詞は形容詞としての機能を持つのが普通だが、分詞構文では副詞としての機能も持つ。
用語としては印欧語で用いることが多いが、その他の言語でも類似の活用形に用いる。ロシア語等では分詞に類するものとして、動詞から派生した形容詞・副詞である形動詞・副動詞がある。
現在分詞
英語では動詞の原形に -ing をつけ、動名詞と同形であり、分詞構文を形成することができる。スペイン語 (gerundio) では、-ar からは -ando、 -er, -ir からは -iendo をつけて作る。存在動詞とともに進行形を表現したり(英語)、不完全他動詞の目的格補語になったりする。イタリア語では、-ante, -ente をつけて作る。フランス語では、-ant をつけて作る。主に形容詞を動詞から派生させる場合に用いている。
アラビア語では能動分詞ともいう。
作り方
- 語尾にingをつける。例)play→playing
- 語尾がeのときはeを取ってingを付ける。 例)use→using
- 子音字+短母音+子音字のときは語尾の文字を重ねて、ingをつける。 例)stop→stopping
- ieで終わる単語はieをyに変えてingをつける。 例)lie→lying
- 例外 例)be→being 、dye→dyeing
現在分詞には、ふつう不規則変化はないが、beなど、eで終わっているのに、そのままingを付けることもある。
例文
- 英語:I am reading the book.(私は本を読んでいます。)
- 英語:The sleeping baby is my brother.(その眠っている赤ん坊は私の弟です。)
- スペイン語:Estoy estudiando.(私は勉強しています。)
- イタリア語:Questa è una parola derivante dal latino. (これはラテン語に由来する言葉です。)
- ドイツ語:das singende Mädchen.(歌っている女の子。)
過去分詞
英語では規則変化動詞の場合は動詞の原形に-edを付けて作る。不完全他動詞の目的格補語になったりする。通常他動詞が過去分詞形になった場合は受動態、自動詞の場合は完了形を形成する。また現在分詞と同様に分詞構文を形成することができる。スペイン語 (participio) では、ar からは -ado、 -er, -ir からは -ido をつけて作る。 フランス語では、-é(e) をつけて作る。
ラテン語では完了分詞、アラビア語では受動分詞という。
作り方
- 規則動詞の場合は過去形と同じ。
例文
- 英語:A Mouse is eaten by a cat.(ねずみは猫に食べられる。)
- 英語:The letter written by Ren was long.(レンによって書かれた手紙は長かったです。)
エスペラントの分詞
エスペラントの分詞はまず能動分詞と受動分詞とに分けられる。能動分詞は3種類あり、それぞれの語尾は、「能動分詞進行形」では -ant、「能動分詞完了形」では -int、「能動分詞未然形」では -ont である。受動分詞も3種類あり、それぞれの語尾は「受動分詞進行形」が -at、「受動分詞完了形」が -it、「受動分詞未然形」が -ot である。
また、これらの分詞語尾に名詞語尾 -o がつけば分詞名詞に、形容詞語尾 -a がつけば分詞形容詞に、副詞 -e がつけば分詞副詞となる。言語名の Esperanto(エスペラント)も esperi(希望する)という動詞不定形の能動分詞進行形 esperant に名詞語尾 -o をつけた分詞名詞である。
- Mi estas skribanta.(私は書いているところです。)
- Ludanta knabo estas sana.(遊んでいる少年は健康です。)
- La letero estas skribita de la reĝo(その手紙は王によって書かれています。)
- Manĝante, mi legis libron.(食べながら、私は本を読みました。)