円柱 (数学)
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数学において円柱(えんちゅう、テンプレート:Lang-en-short)とは二次曲面(三次元空間内の曲面)の一種で、デカルト座標によって次の方程式で定義されるものである:
- <math>\left(\frac{x}{a}\right)^2 + \left(\frac{y}{b}\right)^2 = 1</math>
この方程式は楕円柱を表し、a = b のときのみを円柱(あるいは正円柱)とよぶこともある。円柱は、少なくとも 1 つの座標(この場合 z)が方程式に現れないので退化二次曲面の一種である。定義の仕方によっては円柱は全く二次曲面とは考えられない。
一般の用法で円柱は、上記の意味での正円柱を有限の長さで切断し、両端が二つの円板によって閉じられているような図形を意味する。もしこの意味での円柱が半径 r と長さ(あるいは高さ)h を持つならば、その体積 V と表面積 S は
- <math>V = \pi r^2 h \,</math>
- <math>S = 2 \pi r ( r + h ) \,</math>
によって与えられる。
体積が 1 つ与えられたとき、表面積が最小となる円柱(または、表面積が 1 つ与えられたとき、体積が最大となる円柱)では h = 2r という関係が成り立つ。
さらに幾つかの特異な種類の円柱の仲間が存在する。
- 虚楕円柱面: <math>\left(\frac{x}{a}\right)^2 + \left(\frac{y}{b}\right)^2 = -1</math>
- 双曲柱面: <math>\left(\frac{x}{a}\right)^2 - \left(\frac{y}{b}\right)^2 = 1</math>
- 放物柱面: <math>x^2 + 2y = 0</math>