伊一五六型潜水艦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
(伊百五十六型潜水艦から転送)
伊156型潜水艦(海大3型b) | |
---|---|
伊号第五六潜水艦 | |
画像は初代伊56(後の伊156) | |
艦級概観 | |
艦種 | 一等潜水艦 |
艦名 | |
前級 | 伊一五三型潜水艦(海大3型a) |
次級 | 伊一六二型潜水艦(海大4型) |
性能諸元 | |
排水量 | 基準:1,635トン 常備:1,800トン 水中:2,300トン |
全長 | 101.00m |
全幅 | 7.90m |
吃水 | 4.90m |
機関 | ズルツァー式[1]3号ディーゼル2基2軸 水上:6,800馬力 水中:1,800馬力 |
速力 | 水上:20.0kt 水中:8.0kt |
航続距離 | 水上:10ktで10,000海里 水中:3ktで60海里 |
燃料 | 重油:230t |
乗員 | 63名 |
兵装 | 40口径十一年式12cm単装砲1門 留式7.7mm機銃1挺 53cm魚雷発射管 艦首6門、艦尾2門 六年式魚雷16本 Kチューブ(水中聴音機) |
備考 | 安全潜航深度:60m |
伊一五六型潜水艦(いひゃくごじゅうろくがたせんすいかん)は、大日本帝国海軍の潜水艦の艦級。海大III型b(かいおおさんがたビー)とも。全部で5隻が建造され、1隻が戦前に事故で沈没、1隻が戦没、残り3隻は戦後に海没処分された。
概要
本型(海大3型b)は前型(海大3型a)と比べ艦首の形状を鋭角とし、凌波性を改善した。このため全長がわずかに(約40cm)長くなったが、それ以外の兵装や性能はほとんど前型と同じである。ただ設計がフィート・ポンド法からメートル法に切り替えられたと言われる。
海大3型aと同じく1923年(大正12年)度の計画により建造され、昭和3年(1928年)から昭和5(1930年)にかけて5隻竣工した。計画番号S27。
戦歴
伊63は開戦前に事故で沈没したため戦歴は無い。太平洋戦争の初期に通商破壊を行い、その中で伊号第六〇潜水艦が戦没した。残った3隻は1942年(昭和17年)6月のミッドウェー海戦に参加後、呉で練習潜水艦となった。伊156,157は1943年(昭和18年)6月にアリューシャン作戦でキスカ島への輸送任務に参加した。それ以外は終戦まで練習潜水艦として使用され、戦後海没処分となった。
同型艦
1942年(昭和17年)5月20日に改称、艦番に100を加えた。
- 伊号第一五六潜水艦 ← 伊号第五六潜水艦(I)から改称
- 伊号第一五七潜水艦 ← 伊号第五七潜水艦から改称
- 1929年(昭和4年)12月24日竣工(呉海軍工廠)。1946年(昭和21年)4月1日 五島列島沖で海没処分。
- 伊号第一五九潜水艦 ← 伊号第五九潜水艦から改称
参考文献
- 雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第12巻 潜水艦』光人社、1990年 ISBN 4-7698-0462-8
脚注
- ↑ スイス・SULZER社。英語読みではスルザー。