人工呼吸
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人工呼吸(じんこうこきゅう)とは、自発呼吸が不十分な人に対し、人工的に呼吸を補助することをいう。
概要
一般的には陽圧をかけて肺に気体を送り込み、換気を補助する。応急処置の人工呼吸(口移し式)、マスクとアンビューバッグを使う方法、気管内チューブと人工呼吸器を使う方法などがある。
適応
肺炎・ARDS・ショック・脳血管障害・呼吸停止などにより、原因に対する適切な処置および酸素投与を行ってもなお酸素の取り込みや二酸化炭素の排出が不十分な場合である。病状にもよるが、一般にPaO2:50Torr以下、PaCO2:70Torr以上が適応とされる。また全身麻酔による手術は人工呼吸下に行われることもある。
BLSにおける人工呼吸
呼吸停止に陥った人を救命するために現場に居合わせた一般市民が行う処置で、BLSの一部である。主に口から呼気を吹き込んで強制的に換気する方法である。詳細は心肺蘇生法を参照。
気道確保
- フェイスマスク
- ラリンジアルマスク
- コンビチューブ
- 気管挿管
- 気管切開
器械式人工換気
蘇生における人工呼吸と異なり、数時間以上(時には数年~数十年)に渡って呼吸補助をする必要がある場合には、人工呼吸器を用いる。人工呼吸器はバッグ換気などのような用手での人工呼吸と異なり、気道内圧やその変化・酸素分圧などを細かく調整するための様々なモード・機能が備わっている。
- BIPAP/APRV
- CPAP
- SIMV,IMV
- CMV(IPV)
- HFJV
- 液体換気(liquid ventilation)