三角行列
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三角行列(さんかくぎょうれつ、Triangular matrix)とは対角線の左下、または右上が全て零であるような正方行列のことである。左下が零のものを上三角行列といい、右上が零であるものを下三角行列という。
上三角行列:
- <math>
\begin{pmatrix}
a_{11} & a_{12} & \cdots & \cdots & a_{1n} \\ 0 & a_{22} & \ddots & & \vdots \\ 0 & 0 & \ddots & \ddots & \vdots \\ \vdots & \vdots & \ddots & \ddots & a_{n-1,n} \\ 0 & 0 & \cdots & 0 & a_{nn}
\end{pmatrix} </math>
下三角行列:
- <math>
\begin{pmatrix}
a_{11} & 0 & 0 & \cdots & 0 \\ a_{21} & a_{22} & 0 & \cdots & 0 \\ \vdots & \ddots & \ddots & \ddots & \vdots \\ \vdots & & \ddots & \ddots & 0 \\ a_{n1} & \cdots & \cdots & a_{n,n-1} & a_{nn}
\end{pmatrix} </math>
性質
- 上三角かつ下三角な正方行列は対角行列である。
- 上(下)三角行列同士は足してもかけても上(下)三角行列である。
- 三角行列の行列式は対角成分の積で表される。よって、どの対角成分も零でなければ、三角行列は逆行列を持つ。
- n 次の、可逆な上三角行列の全体 B または可逆な下三角行列の全体 B' は一般線型群 GLn の部分群を成す。
- n 次対角行列全体の集合の GLn における正規化群を N とすると、(B, N) あるいは (B' , N) は GLn のBNペアになる。