三槓子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2014年6月21日 (土) 18:27時点におけるJkr2255 (トーク)による版 (+ref)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先: 案内検索

三槓子(サンカンツ)とは、麻雀におけるのひとつ。槓子を3つ作って和了した時に成立する。2翻。喰い下がりはない。

概要

槓子は暗槓、明槓のいずれでも良く、いずれか単一でも混在していても良い。牌種の制限もない。とにかく槓子が3つあれば成立する。全て暗槓の場合や2つが暗槓で残りの面子が暗刻の場合は三暗刻と複合し、残りの面子が刻子の場合は対々和(四暗刻が成立する場合を除く)と複合する。

役満以外の通常役の中では最も出現の確率が低い。出現頻度の点で言えば、四暗刻国士無双といった並の役満よりも遥かに珍しい役であると言える[1]。難度の高さに反して2翻と価値が低いのも特徴の一つである。槓子が多いため符は高くなりやすいが、役のリスクに見合うほどの得点上の有利には繋がりづらい。

3回の槓を経るため、テンパイ時には元々のドラと槓ドラを合わせてドラが4種という状況になる。自分自身にドラが乗った場合は望外の高得点に繋がることもあるが、逆に他家に乗った場合は、振り込んだ時の失点が大きくなる可能性が高い。他家がリーチを掛けてきた場合はさらに裏ドラ4種が加わり、その可能性はさらに高くなる。加えて、3回の槓の結果手牌が4枚だけになるため、振り込みを回避することも難しくなる。こういった点から、リスクの大きい役であると言える。

成立を阻害する要因

三槓子の出現頻度の低さには、以下のように様々な要因がある。ルール上の要因であったり、押し引きに関わる要因であったりするが、そのすべてが三槓子の成立を難しくしていると言える。

  • そもそも槓を一人で3回も行うこと自体が確率的に難しい。比較的確率の高い明槓狙いでも、明槓できる状況=暗刻が揃っている(揃えられた)状況+4枚目が出る必要があるため。つまり、三暗刻よりも遥かに難易度が高い役である。
  • 大明槓をしてメンゼンを崩すと三暗刻四暗刻を捨てることになるため、そもそもいきなり大明槓をするようなケースが少ない。そのため序盤から積極的に狙えるという状況が起こりにくい。
  • たとえ2つ槓をしていたとしても、三槓子になる前にあがってしまうケースがままある。3回目の槓の直前には2つの槓子と1つの刻子を持っているはずで、この時点で既に3面子完成しておりテンパイしている可能性が高い。3回目の槓のための残り1枚よりも、和了牌を入手する方が早い。
  • 4回槓があった時点で四開槓による流局となるルールが多いため、3つの槓が成立した時点で、他家があと1回槓をすることにより容易に阻止できる。逆に3つ目の槓をする前に他家が既に1つ槓をしていれば、三槓子をあがるチャンスは3つ目の槓による嶺上牌のツモの一度きりになってしまう(嶺上牌の処理を行わずに流局となるルールでは他人の槓が1つでもあったら成立しない)。
  • 3つ槓子を晒した時点で四槓子の可能性が出てくるため、他家に非常に警戒される。一方で手牌が4枚だけになるので、他家に手の内を看破されやすくなる。
  • 大量の槓ドラが発生するため、新ドラを得た他家が積極的にあがりにくる、あるいはそれを恐れた他家が早あがりする。結果、三槓子の者があがれない。

このように、成立を阻害する要因が非常に多い。ただでさえ槓にはリスクがあり、狙える状況も極めて限定されているので、プレイヤーがそもそも手作りにおいて三槓子を想定しないことも多く、成立には強く偶然に依る所がある。

牌姿の例

(例)対々和になっていないケース

テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画       テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画       テンプレート:牌画 テンプレート:牌画 テンプレート:牌画       テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画
テンプレート:牌画テンプレート:牌画待ち。テンプレート:牌画の暗槓、テンプレート:牌画のポンでテンパイテンプレート:牌画テンプレート:牌画が出る前にテンプレート:牌画の加槓とテンプレート:牌画の大明槓を行ってこの形になった、といった状況が考えられる。ドラなしとすれば手役は發と三槓子で計3翻、符は副底(20符)+發の暗槓(32符)+八萬の明槓(8符)+二索の明槓(8符)で計68符。ツモ和了の2符があろうとなかろうと70符3飜で満貫(子8000、親12000)。3面子も晒している割には得点は高くなく、さらに手変わりして対々和になったとしても5飜の満貫で得点は変わらない。このような場合、ドラが多く乗らない限りは高得点には繋がらない。かろうじてテンプレート:牌画を重ねることで後述の四槓子の一向聴の牌姿を経て四槓子への手変わりがありえるが、それまでにテンプレート:牌画が捨てられていないことが大前提であり、さらには両面待ちを捨てて単騎待ちへと待ちを減らす必要がある。

(例)四槓子の一向聴

テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画       テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画       テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画       テンプレート:牌画テンプレート:牌画 テンプレート:牌画
テンプレート:牌画単騎。序盤に連風牌の東を鳴いて対々和を目指し、その後2つの暗槓が出来、さらに東を加槓して三槓子に至った、といった状況が考えられる。あがれば三槓子の他に三暗刻が成立するので、ダブ東・中・対々和・三暗刻・三槓子の9飜で倍満となる。また、この牌姿は四槓子一向聴でもある。

脚注

テンプレート:Reflist


関連項目

テンプレート:麻雀の役zh:三杠子
  1. 麻雀格闘倶楽部の2003年10月時点の統計(通常役役満)によれば、四暗刻・国士無双・大三元小四喜による和了回数は、三槓子によるものを上回っている。