メアリ・リード
メアリ・リード(Mary Read、1685年頃? - 1721年4月)は、18世紀にカリブ海で活動した海賊。ジョン・ラカムの手下の1人。
同じくラカムの手下であったアン・ボニーとともに、伝説的な女海賊として知られる。
略歴
メアリ・リードは、ロンドン近郊で船乗りの遺児として産まれた。彼女の母は、亡夫の両親から仕送りを得るために娘を男装させ、後継ぎとして育てていた。
13歳のときフランス人女性へ下男奉公に出されたメアリはそこを逃亡、男装したまま海軍に入るがまたも脱走し、陸軍歩兵となるが、知り合った兵士と結婚、除隊する。夫婦はオランダのブレダ城近郊で暮らしていたが、ほどなく夫が亡くなった。
メアリは再び陸軍へ入隊を志すものの男装が発覚して果たせず、西インド諸島行きの帆船に乗り組むこととなる。 1719年、この船がラカムによって捕獲されたとき、メアリはその手下となることを決意した。
海賊生活
アンを含む海賊たちは当初、メアリの男装に気付かなかった。自分を誘惑したアンに対しメアリは自分が女性であることを明かし、以後2人は親密な友人となった。
メアリ・リードはカットラスの遣い手であったと伝えられている。
メアリ単独での海賊としての行動はあまり伝えられていないが、伝説の1つとして次の話が残っている。
- あるとき、メアリお気に入りの青年海賊が年長の海賊と決闘することになった。
- 青年海賊が不利だと見たメアリは決闘前夜、相手を呼び出した。
- 当日、青年海賊が決闘の指定場所に向かうと、相手は既に倒されていた。
1720年10月にラカムの海賊船がジョナサン・バレットに捉えられたとき、男性乗組員が怖気づいて揃って船倉に逃げ込んだのを尻目に、メアリはアンと共に激しく戦うも、捕縛されてしまう。
1720年11月28日に行われた裁判において妊娠を主張して刑の執行を免れることが出来たが、翌年4月に拘留されていた牢獄の中で熱病のために死亡した。埋葬および彼女の妊娠に関する記録は無いが、公式記録によると、メアリは出産に起因する熱病で死亡したとされている。
メアリはアンよりもさらに海賊生活が短く、アンに付随して語られることの多い人物であるが、彼女自身の伝説もまた多い。