ホーメイ
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ホーメイ
ロシア連邦トゥバ共和国に伝わる喉歌。
もともと声に含まれている倍音の高音部を声帯の力で意識的に強調させて口笛に似た音を出し、
舌や口腔を微妙に動かして美しい倍音を紡ぎだす。非常に低い倍音を出したり、
音を細かく震わしたりと、発声法が7種類以上(28種類という説も)ある。
馬や豚や蛇の皮を張ったさまざまな楽器や、口琴などと共に演奏される。
(フーメイと呼ぶ場合があるが一般的ではない)
また、この他にもアルタイ山脈周辺地域には類似した喉歌が伝えられ、モンゴル国ではホーミー、アルタイ共和国ではカイ、ハカス共和国ではハイと呼ばれている。
ホーメイの主な種類
- ホーメイ(Хөөмей):ホーメイはトゥバの喉歌芸術の全体をさす場合にも用いられるが、ホーメイの中に「ホーメイ」といういわば喉歌の基本ともいえる歌い方がある。これはスグットに比較すると高音をあまり響かせず、静かで穏やかに歌う。
- スグット(Сыгыт):口笛のような鋭い高音を響かせる歌唱法。さあっと吹き抜ける風のような、爽快な歌唱法。
- カルグラー(Каргыраа):地鳴りのような超低音を響かせる歌唱法。
- その他:ギャロップのように音にリズムをつける唱法(エゼンギレールЭзеңгилээр)、
- 舌を震わしてたなびく旗のように音を転がす唱法(ボルバンナディルБорбаңнадыр )、
- カルグラをしながらスィグィットの要領で発声する唱法カンズップ(Каңзып)、
- チャランドゥック(Чыландык)などがある。
また、これらのテクニックを同時に組み合わせてやることもある。
・トゥバ共和国のホーメイ科学センターの所長ゾーヤ・キルギス氏によると、ホレクテール(Хөректззр)という胸声が基礎にあるという。