ホーボーケン番号

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テンプレート:Portal クラシック音楽 ホーボーケン番号(ホーボーケンばんごう、テンプレート:Lang-de-short)は、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンの音楽作品に付された番号。オランダの音楽学者アントニー・ヴァン・ホーボーケンが著した「ヨーゼフ・ハイドン主題書誌学的作品目録」 (Josef Haydn, Thematisch-bibliographisches Werkverzeichnis) に従う番号のことである。「J. ハイドン主題書誌学的作品目録」は、器楽編が1957年に、残りが1971年(と1978年?)に発表されている。ハイドンの作品のいくつかには作品番号があるが、ない曲も多いので、現在では一般に作品番号の代わりにホーボーケン番号が使われる。

一般に、Hob.と略す。バッハBWV同様、ジャンル別の付番であるが、BWVが通し番号なのに対し、ホーボーケン番号はジャンルごとに番号が1から振られている。たとえば、交響曲第94番はHob. I-94である。

Hob. ジャンル
I 交響曲 (1-108)
Ia 序曲 (1-16)
II 4声以上の嬉遊曲(ディヴェルティメント) (1-47)
III 弦楽四重奏曲 (1-83b)
IV 3声の嬉遊曲(ディヴェルティメント) (1-11)
V 弦楽三重奏曲 (1-21)
VI 様々な二重奏曲 (1-6)
VII いろいろな楽器の協奏曲
VIII 行進曲 (1-7)
IX 舞曲 (1-29)
X バリトン*のための様々な作品 (1-12)
XI バリトンと、ヴァイオリンまたはヴィオラ、チェロのための三重奏曲 (1-126)
XII バリトンを含む二重奏曲 (1-25)
XIII バリトンのための協奏曲 (1-3)
XIV ピアノ**と伴奏のための嬉遊曲(ディヴェルティメント) (1-13)
XV ピアノとヴァイオリンまたはフルート、チェロのための三重奏曲 (1-40)
XVa 二台のピアノのための曲
XVI ピアノソナタ (1-52)
XVII ピアノ小品 (1-12)
XVIIa ピアノ連弾曲 (1-2)
XVIII ピアノ協奏曲 (1-11)
XIX オルガン時計 (Flötenuhr) のための小品 (1-32)
XX 「十字架上の七つの言葉」への器楽作品
XX-2 「十字架上の七つの言葉」の合唱版
XXI オラトリオ (1-3)
XXII ミサ曲 (1-14)
XXIII 様々な宗教作品
XXIV 管弦楽伴奏のカンタータとアリア
XXV 2声、3声、4声の歌曲
XXVI ピアノ伴奏の歌曲とカンタータ
XXVII カノン (宗教カノン 1-10; 世俗カノン 1-47)
XXVIII オペラ (1-13)
XXIX ジングシュピール(歌芝居=小オペラ)
XXX 劇付随音楽
XXXI スコットランド民謡編曲 (273)、ウェールズ民謡編曲 (60)

*ここでのバリトンは、ヴィオラ・ダ・ガンバの一種。
**ここでピアノと書いたものは、当時はチェンバロなどで演奏された。