ブルックリン橋

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ブルックリン橋(Brooklyn Bridge)は、ニューヨーク市のマンハッタン島南端付近とブルックリン区を結ぶである。

概要

マンハッタン島から南東方向に向かって伸びており、マンハッタン橋と並ぶように位置している。イースト川(East River)の上に架かっており、長さは1,834m、中央径間は486m。もともとの名称は“ニューヨーク-ブルックリン橋”といった。米国でもっとも古い吊り橋の一つであり、同時に鋼鉄のワイヤーを使った世界初の吊橋でもある。14年の歳月をかけて1883年に竣工・完成した。同年5月24日に開通し、開通初日には15万人もの人がこの橋を渡った。この橋は 2層に分かれており、現在でも上層は人や自転車が歩いて渡ることができる。下層は片側3車線の車道である。ブルックリン橋はゴシック風のデザインともあいまってニューヨークの観光名所のひとつになっており、休日にはよく橋の上をランニングする人々を見ることができる。

1903年に上流のウィリアムズバーグ橋ができるまで世界最長。なお、マンハッタンからイーストリバー下流にかかる3本の吊り橋の順序は、下流(南)からBMW(Brooklyn, Manhattan, Williamsburg)と記憶するという方法がある。

歴史

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ジョン・オーグスタス・ローブリング
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橋上の風景案内版 建設中の「自由の女神」

ブルックリン橋はベルリン王立高等理工科学校(現・ベルリン大学理工学部土木工学科)の橋梁工学を卒業したテューリンゲン州ミュルハウゼン出身のドイツ系移民のジョン・オーグスタス・ローブリングJohn Augustus Roebling、1806~1869年、ドイツ語発音ではヨーハン・アウグスト・レーブリング(Johann August Rӧbling))によって最初に設計されたが、彼は橋の建設開始をまたずに破傷風で病死した。その後、南北戦争に従軍した息子のワシントン・ローブリング(1837~1926年)が建設を引き継いだが、彼もまたケーソン病により下半身を麻痺したため、同じドイツ系の妻のエミリー・ワーレン・ローブリング(1843~1903年)が工学を勉強し、現場の監督者と彼との意思疎通をはかった。ワシントンは1903年に妻を先立たれてからも、1926年に89歳で亡くなるまで自宅から望遠鏡で橋の建設を見守ったという。建設当時、ケーソン病はまだよく理解されていなかった。

ローブリングは橋を設計する際に、それが当時必要と考えられていた強度よりも 6倍も頑丈に設計した。橋が建設された当時はまだ風洞実験が行われておらず、同時期に建てられた橋のほとんどが廃棄されたのに対して、この橋が今日まで生きながらえたのはこのようないくつかの幸運があったためだと指摘されている(多くの橋が廃棄されたのは、タコマナローズ橋が風で崩壊したことも理由となる)。

建設に際しては多数のケーソン病による死者を出した。

アクセス

マンハッタン側からは、ニューヨーク市地下鉄ブロードウェイ線(N R Q W)、レキシントン街線(4 5 6)でCity Hall駅下車。City Hall Park駅から橋はすぐに見える。ブルックリン側から渡るなら地下鉄の8番街線(A C)のHigh Street - Brooklyn Bridge駅下車。こちら側から渡るほうが圧倒的に景色がいいが、入り口がわかりにくいので注意。過去には、電車という選択があった。

なお、歩行者用の通路でも自転車が猛スピードで走っていくことが多い。特に見通しの悪い夜間に橋を渡るときは注意が必要である。

その他

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ブルックリン・ハイツ・プロムナード

ブルックリン橋の登場する作品

映画・特撮

アニメ・漫画

その他多数作品あり。

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