ブライト (衣類用漂白剤)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

ブライト(Bright)は、ライオンから発売されている酸素系漂白剤。1975年6月発売。英語のBright(輝かしい)から由来している。

商品概要・歴史

製品は、新しい仕上げ剤として、発売時期のずれがあるが、柔軟剤ソフランS、液体洗濯糊カインドとともに順次発売された。

それ以前は、ライオンの塩素系漂白剤はライオンブリーチの商品名で販売されていた。商品名の変更は、当時同業他社で、塩素系漂白剤のシェアトップで競合している、花王ハイターに対抗するためと思われる。同時に、ラベルの説明には、白物衣類の漂白用としての他に、台所の衛生や浴室・トイレの清掃にも使えることが強調されていた。

その後製品改良など重ねていく一方で、台所用のキッチンブライトや花王のハイターEに対抗すべくブライトアップ、花王のワイドハイターに対抗する為の酸素系漂白剤カラーブライトを発売した。しかし1990年代から塩素系漂白剤の需要が横ばいになり、液体の衣類用酸素系漂白剤手間なしブライトが登場し売り上げを伸ばし始めたことから、ライオンは衣類用の液体塩素系漂白剤の製造を中止。同時にブライトを衣類用酸素系漂白剤のブランドネームとして発展することとなった。

沿革
1975年6月 - 発売開始(ライオン油脂時代、塩素系漂白剤)。
1990年2月 - 「手間なしブライト」を発売。
1993年3月 - 「手間なしブライト」を改良。性能を向上し、パッケージに機能を明記。
1995年3月 - 「手間なしブライト」を改良。パッケージデザインを変更。
1996年4月 - 「手間なしブライト」を改良。性能を向上。
1996年9月 - 「手間なしブライト」を改良。液だれ防止機構を採用。
1998年8月 - 「手間なしブライト」を改良。容器を変更。
1998年9月 - 「手間なしブライト」につめかえ用を発売。
1999年9月 - 「手間なしブライト」を改良。性能を向上し、パッケージデザインと容器を変更。
2001年3月 - 「スーパー手間なしブライト」を発売。
2002年8月 - 「スーパー手間なしブライト」を改良。組成とパッケージデザインを変更。
2003年3月 - 「手間なしブライト」・「スーパー手間なしブライト」を改良。黄ばみ予防機能を加え、パッケージデザインを変更。
2004年9月 - 「手間なしブライト」・「スーパー手間なしブライト」を改良。「スーパー手間なしブライト」は漂白強化成分「パワフルリムーバー」を新配合し、パッケージデザインを変更。「手間なしブライト」はパッケージデザインの変更のみ。
2005年8月 - 「スーパー手間なしブライト」を改良。パッケージデザインを変更。
2006年8月 - 「手間なしブライト」を改良。パッケージデザインを変更。
2006年9月6日 - 「手間なし直効ブライト」を発売、同時に「手間なしブライト」を改良(デザイン)。
2008年9月10日 - 「直効ブライト」を発売(デザイン、商品名変更)。
2010年4月 - 「手間なしブライト」、「直効ブライト」を改良(デザイン)。
2010年5月 - 「スーパー手間なしブライト」生産終了。
2010年6月 - 「ブライトW 除菌&抗菌」を発売。
2012年6月 - 「ブライトW 除菌&抗菌」を改良。パッケージデザインを変更。
2013年2月27日 - 「ブライトW 除菌&抗菌」を改良。抗菌性能と消臭効果を向上し、衣類を着てから脱ぐまで1日中消臭効果が持続するようになった。
2013年3月20日 - 「手間なしブライト」を改良。クエン酸を配合し、パッケージデザインを変更。
2013年5月22日 - 「直効ブライト」を改良。パッケージデザインを変更。
2014年7月1日 - 「ブライトW 除菌&抗菌」を改良。汚れ落ち促進剤を新配合し、その後の着用時についた汚れが次の洗濯時に落としやすくする効果をプラスした。

商品ラインナップ

現行商品
手間なしブライト
毎日の洗濯に気軽に使え、黄ばみ・黒ずみをしっかり漂白する。容量は1000ml、つめかえ用は720ml。このほかに、法人向けのノベルティとして、400ml入りが設定されており、ライオンが発売するギフトセットの一部に同梱されている。400ml入りは内容量の関係で1回で全量を入りきれないため、つめかえができない。
除菌・除臭効果で、洗濯物はいつも清潔、色柄物だけでなく、おしゃれ着、シルク・ウールなどのデリケート衣料にも安心。
2006年11月、ウールマークの認定を受けた。衣類用漂白剤では国内唯一。
黄ばみ・黒ずみの漂白の場合は、30Lの水に40mlの液を入れる、除菌・除臭の場合は、1Lの水に20mlの液を入れる。
直効ブライト
2006年9月6日発売(発売開始当初は「手間なし直効ブライト」)。部分洗いに優れている。キャッチフレーズは「接ねらってく!」。容量は500ml、つめかえ用400ml。
当社独自の「シミ除去成分+黒ずみ除去成分+油除去成分」のトリプルパワー成分が配合されている。果汁シミ(ブドウジュースなど)やミートソースなどの食べこぼし、頑固なエリ・そで汚れに対して効果を発揮する。汚れに付けやすいトロミと、つけた部分が分かりやすいいジェル。
便利な2ウェイキャップ付き容器を採用。先端がシミや汚れに「直ぬり」しやすい構造なので汚れの部分漂白にムダなく塗れる、洗濯機で全体漂白する際は、軽量キャップとして使用できる。30Lの水に20ml。除菌・除臭効果もある。
ブライトW 除菌&抗菌
2010年6月9日発売。使用量半分の濃縮タイプ。容量は600ml、つめかえ用は480ml。
漂白効果と除菌効果で汚れや菌を落とし、抗菌効果と汚れ落ち促進効果を併せ持つ「抗菌トリートメント漂白」で洗濯後でも衣類を汚れや菌から守る。
抗菌成分が洗濯物に付着した菌の増殖を抑制することで部屋干しや残り湯洗濯でもイヤなニオイの発生を抑え、汚れ落ち促進成分が洗濯中にセンイをコートすることで、その後の着用時についた汚れが次の洗濯時により汚れを落としやすくする。
30Lの水に20ml(キャップ1/2杯)の液を入れ、洗濯用洗剤と一緒に使用。
カラーブライト
1977年発売。つけおき洗いに優れている粉末タイプ。容量は600g、つめかえ用500g。
このシリーズでは初めての酸素系漂白剤として発売した。「漂白活性成分」と「酵素」の働きで、洗剤だけで落ちない頑固なシミや黄ばみを強力漂白する。また、強い除菌力で、衣類を芯からきれいにする。つけおき漂白で一層効果を発揮する。1Lの水に5g。汚れがひどいときは、ぬるめのお湯が効果的。
容器はのボトルとのキャップでラベルは白地に群青色の文字、「カラー」は黄色で書かれている。下にはをイメージしたラインが入っており、発売当初から引き継がれている。
生産終了品
スーパー手間なしブライト
2001年3月から2010年5月まで発売していた。手間なしブライトより効果的だった。「ブライトW 除菌&抗菌」と入れ替わり、発売を終了した。内容量は本体500ml、つめかえ用400ml。
ブライトアップ
1985年から1990年2月まで発売していた塩素系漂白剤。キャッチフレーズは「鼻にツーンとこない」。
塩素系独自の臭いがあまりしない。「手間なしブライト」の登場により、消費者がそちらに流れたことで生産を終了した。ラベル表記はキャッチフレーズと、下に小さく「シミ黄ばみも真っ白」と書かれ、対抗商品のハイターEと、どことなく表記が似ていた。
容器は縦長で、ボトルの色は白、キャップは濃い青、ラベルは青赤を基調としていた。

用途

ブライトW 除菌&抗菌
衣類の除菌・抗菌・除臭、黄ばみ・黒ずみの漂白/予防、赤ちゃんの衣料の漂白、シミ(食べこぼし・調味料・血液)の漂白(血液は最初に水洗いをする)、部分汚れ(えり・そで口)の漂白
手間なしブライト
黄ばみ・黒ずみの漂白、赤ちゃんの衣料の漂白、黄ばみ予防、衣料のシミ・部分汚れの漂白(食べ物・飲み物・調味料・血液・汗などによるシミ、えり・そで口の汚れ)、衣料の除菌・除臭
直効ブライト
シミ・部分汚れの漂白(食べこぼし、調味料、エリ・そで口、血液など)

配合成分

ブライトW 除菌&抗菌
過酸化水素(酸素系)、界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)、安定化剤、pH調整剤
手間なしブライト
過酸化水素(酸素系)、界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)、pH調整剤
直効ブライト
過酸化水素(酸素系)、界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)、安定化剤、pH調整剤

CM

歴代CM出演タレント
寺田理恵子 (1990年2月 - 1995年3月)
香坂みゆき (1996年9月 - 2001年3月)
長嶋一茂 (スーパー手間なしブライト、2001年3月 - 2002年8月)
三田寛子 (スーパー手間なしブライト、2003年3月29日 - 2005年8月)
石丸椎菜 (スーパー手間なしブライト、2003年3月29日 - 2004年9月)
橋口恵莉奈 (スーパー手間なしブライト、2004年9月 - 2005年8月)
花田景子 (ブライトW、2010年6月9日 - 2011年7月)
徳山宰極 (ブライトW、2011年7月1日 - 現在)
山田花子 (ブライトW、2013年2月 - )
CM内容
ハイターに対抗するためか、新発売時から積極的にCMを製作した。初期のキャッチフレーズは「ブライトすれば 黄ばみも真っ白」で、ハイター同様、黄ばみの漂白にと宣伝していた。登場人物は、母親と子供の形がお決まりパターンだった。
ブライト
新発売時は、子供が黄ばんだ下着を着て登場し、それを漂白し、真っ白なものを着せるものだった。
2本目は、子供の寝ている姿が登場、寝汗による黄ばみを強調、母親が漂白するというものだった。
3本目は、子供用パンツ(男児ブリーフ)がパペットの様に喋るもの。子のCMではパンツのみで人物は登場しなかった。引き続き黄ばみの漂白を宣伝していた。
4本目は、珍しく、男性2人が出てきたもの。上着を脱いでシャツになったとき、1人のシャツが黄ばんでいると指摘し、漂白場面が出るもの。
いずれも初期のボトル時代に製作されたものである。ボトルが代わったときにはCMは製作されず、塩素系のものは、後のブライトアップのみで終わった。
スーパー手間なしブライト
発売当初は「何も気にしない」篇、長嶋一茂出演。ナレーションは野球の実況のように語った。
2003年3月からは「モ~ママ」篇、三田寛子(ママ役)、石丸椎菜(娘役)で出演。シミを見るとウシになるというものだった。最後はシミが落ち、人間に戻った。
2004年9月からは三田寛子(ママ役)、橋口恵莉菜(そでぐち君の声)で出演。パペットキャラのくつした君とそでぐち君が登場。最初は2人とも黒ずんでいたが、スーパー手間なしブライトで洗浄後、その黒ずみはスッキリ落ちた。
手間なし直効ブライト
15秒版のみ。シミがついた服や黒ずんだ服、商品がたくさん登場したが、人物は登場しなかった。シミや黒ずみに直接かけて漂白するものだった。
ブライトW
発売当初は「残り湯」篇、花田景子出演。15秒版のみ。「残り湯でお洗濯しています。でも、時々不安になるんです」と語っていた。「ライオンから」はカットしていた。
2011年7月からは「歌う洗濯物」篇、15秒版のみ。アニメーションCMだがブライトWは実写だった。原作は松本ぷりっつ。「ライオンから」はカットしていた。
2012年6月からは「タンゴ」篇、15秒版のみ。引き続きアニメーションCM。

メモ

  • 登場当時ボトルの色は白で、花王のハイターに対抗していたが、後に現在も各社の塩素系漂白剤で使用されている、マリンブルーのボトルカラーに変わった。
  • 登場時のラベルは、バックは白で、斜めにピンクと黄緑のラインが入り、商品名は黒で書かれた。また新漂白剤と強調されていた。
  • 登場時のボトルの記載は「白い物をより白く」と「洗剤では落ちないシミ・ヨゴレに」と、ライバルのハイターと、違う記載をしていた。後にハイター同様に、「シミ黄ばみが真っ白に」と記載されるようになった。
  • ブライトシリーズは花王ハイターを意識した商品ラインになっており、キッチンブライトキッチンハイターカラーブライトワイドハイターブライトアップハイターEの競合商品である。

関連項目

競合商品

外部リンク