フラワー級コルベット
テンプレート:Infobox navyshipclass フラワー級コルベット (テンプレート:Lang-en) は、イギリス海軍が建造したコルベットの艦級。なお、艦名はほとんどが花にちなんだものであることからこの名がある。
第二次世界大戦中、イギリスとカナダで多数が建造されたことから、イギリス海軍以外にもカナダ海軍やアメリカ海軍など他の連合国でも使用されており、米海軍で運用されたものについてはテンプトレス級コルベット(Temptress class patrol gunboats)と呼称されている。
来歴
1939年の第二次世界大戦勃発直後より、連合国軍の対潜護衛部隊とドイツ海軍Uボートのあいだに大西洋の戦いが展開された。イギリス海軍では、1938年度から1939年度で第一次世界大戦世代のV級駆逐艦、W級駆逐艦の計15隻に爆雷など対潜兵器を搭載して護衛艦として改装するとともに、39年度計画では新造によりハント級駆逐艦の整備に着手しており、いわゆる護衛駆逐艦の嚆矢をなすものとなった[1]。またこれらに加えて、ドイツUボートの脅威に対して対潜護衛艦艇が多数必要とされることが予想されたことから、イギリス海軍では、1939年の開戦直前より既存の捕鯨船をベースとして戦時急造可能な護衛艦艇の設計に着手した。これによって開発されたのが本級である[2]。
設計
設計は捕鯨船をベースとして、舵とその周囲の構造を改良するかたちで行われた。このため船体は商船構造とされており、木材も多用された[2]。小型で全長も短いため、重心が不安定で復原性能に問題があり、居住性は劣悪であった。このため、1942年以降の就役艦は、船首楼の延長などにより若干大型化した改型とされている[3]。
主機関としては直立型4気筒3段膨張式レシプロ蒸気機関が搭載された。これはスミス・ドック社が第2次大戦の開戦直前に大型捕鯨船用として製作した機関の回転数とシリンダー径を増して出力を増大したものであった。主ボイラーとしては、原型では片面焚火の円缶、改型ではアドミラルティ式3胴型水管缶が採用されており、蒸気圧力はいずれもテンプレート:Convertであった。戦時急造に対応するため、1軸推進とされており、主機関は機械室の中心線上に、主ボイラーはその前後の缶室に1缶ずつ収容されている[4]。
装備
主砲としては、艦橋直前の砲座にMk.IX 4インチ単装砲を1基備えていた。これに加えて、改型では高角機銃として後部上部構造物後端に40mm口径のQF 2ポンド砲を追加装備しており、またアメリカ海軍での運用艦においては、まず4インチ砲、後期艦ではさらに2ポンド砲も、50口径3インチ単装緩射砲に換装されている。
対潜兵器としては、艦尾に爆雷投下軌条2条を、後部上部構造物の両舷側にMk.II片舷用爆雷投射機(K砲)を1基ずつ備えており、また改型では、前部砲座の右舷側にヘッジホッグ対潜迫撃砲を1基追加装備した。
原型 | 改型 | |
---|---|---|
兵装 | Mk.IX 102mm単装砲×1基 | |
12.7mm連装機銃×1基 | QF 2ポンド砲×2基 | |
7.7mm連装機銃×1基 | 20mm単装機銃×2基 | |
- | ヘッジホッグ対潜迫撃砲×1基 | |
Mk.II 爆雷投射機×2基 | Mk.II 爆雷投射機×4基 | |
爆雷投下軌条×2基 | ||
レーダー | SW1C 対水上捜索用 | SW2C 対水上捜索用 |
ソナー | 123A型または127DV型 | 145型 |
配備
発注は1939年より開始され、1940年から1944年に至るまで、イギリスで140隻、カナダで123隻が建造され、またフランスでも自由フランス海軍向けの6隻が建造された。フラワー級は最終的に31隻の被害に対し、42隻の枢軸軍潜水艦を沈める戦果を残した。ただし艦型の小ささと速力の遅さのために、性能には不満が残り、発展型のキャッスル級コルベットを経て、より大型で高速のリバー級フリゲートへと移行し、最終的にはアメリカのタコマ級フリゲートに引き継がれた。
戦時急造であったため、第二次大戦の終結後、イギリス海軍においては数年のうちに運用を終了したが、多数が海外へ輸出されて再就役した。また、元来が捕鯨船をベースとしていたことから、イギリス海軍予備員(RNR)など商船出身の乗組員にも運用が容易であり、戦後には110隻が商用転用されて売却されており、日本で捕鯨船として用いられた艦もある。
運用国
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- テンプレート:Flagiconイギリス領インド帝国海軍
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- テンプレート:Navy - 建造途上で接収
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参考文献
関連項目
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- ブラックスワン級スループ - 並行して整備されていた、より高速・重武装の船団護衛艦。
- 丙型海防艦, 丁型海防艦 - 大日本帝国海軍の海防艦。