フィリップ・ロス
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フィリップ・ロス(Philip Roth、本名:Philip Milton Roth、1933年3月19日 - )は、アメリカの小説家。
経歴
ニュージャージー州ニューアークでガリツィア系ユダヤ人移民の子として生まれる。ラトガース大学、バックネル大学、シカゴ大学で学ぶ。ソール・ベローと親交(「ベローがいなかったら小説家になっていたかわからない」とインタビューで語っている)。1955年から1957年までシカゴ大学で創作を教えていた。またペンシルベニア大学で比較文学を教えた。
1959年、ユダヤ系移民の家庭を描いた短編集『さようならコロンバス』で作家デビュー。翌年、この作品で全米図書賞を受賞し、一躍新進作家として脚光を浴びる。1969年には、ニューヨークに住むユダヤ人の若者とその母親との屈折した関係を描いた長編『ポートノイの不満』が年間ベストセラーの1位に輝いた。70年代以降も、その旺盛な執筆力は衰えを知らず、全米図書賞(1960年、1995年)、全米批評家協会賞(1987年、1991年)をそれぞれ2度、ペン/フォークナー賞(1994年、2001年、2007年)を3度獲得するなど、現代アメリカ文学を代表する巨匠への道を着実に歩み続けている。
2001年には、アメリカ芸術文学アカデミー(American Academy of Arts and Letters)よりその功績が讃えられ、ゴールド・メダルが授与。同年、第1回フランツ・カフカ賞を受賞。
主要著作
- 『さようならコロンバス』 Goodbye Columbus, 1959年
- Letting Go (1962)
- 『ルーシィの哀しみ』 When She Was Good, 1967年
- 『ポートノイの不満』 Portnoy's Complaint, 1969年
- 『われらのギャング』 Our Gang (Starring Tricky And His Friends), 1971年
- 『乳房になった男』 The Breast, 1972年
- 『素晴らしいアメリカ野球』 The Great American Novel, 1973年
- 『男としての我が人生』 My Life As A Man, 1974年
- 『素晴らしいアメリカ作家』 Reading Myself And Others, 1975年
- 『欲望学教授』 The Professor of Desire (1977)
- 『ゴースト・ライター』 The Ghost Writer (1979)
- 『解き放たれたザッカーマン』 Zuckerman Unbound (1981)
- 『解剖学講義』 The Anatomy Lesson (1983)
- The Prague Orgy (1985)
- 『背信の日々』 The Counterlife, 1986年
- The Facts: A Novelist's Autobiography (1988)
- 『いつわり』 Deception, 1990年
- 『父の遺産』 Patrimony, 1991年
- Operation Shylock: A Confession (1993)
- Sabbath's Theater (1995)
- American Pastoral (1997)
- I Married a Communist (1998)
- 『ヒューマン・ステイン』 The Human Stain, 2000年
- 『ダイング・アニマル』 The Dying Animal, 2001年
- The Plot Against America (2004)
- Everyman (2006)
- Exit Ghost (2007)
- Indignation (2008)
- The Humbling (2009)
- Nemesis (2010)
エピソード
- 『素晴らしいアメリカ野球』の邦訳題を借りた作品が、小林信彦の短編『素晴らしい日本野球』及び、高橋源一郎の長編『優雅で感傷的な日本野球』である(内容は無関係)。
- 女優のクレア・ブルームと結婚していた時期がある。ブルームの著書によると、離婚理由は彼の性的な節操の無さだったという。