ビクトル・エリセ
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テンプレート:ActorActress ビクトル・エリセ(Víctor Erice, 1940年6月30日 - )はスペイン出身の映画監督・脚本家である。本名、ビクトル・エリセ・アラス(Victor Erice Aras)。
略歴
映画学校で学びながら、映画雑誌に批評や評論などを書いて生計を立てていた。1964年、兵役についていたのち、溝口健二監督の『山椒大夫』を見て大きな感銘を受け、除隊後は映画一筋に生きる道を決意する。その際、「人生を凌駕する、人生を越える映画が存在する」と悟った。68年、オムニバス映画『挑戦』の一編で監督デビュー。卓抜な演出と映画への飛びぬけた感性で一躍名を知らしめた、73年の『ミツバチのささやき』が、同年サン・セバスティアン国際映画祭でグランプリ。
第二作長編『エル・スール』でも高い評価を受け、第三作長編『マルメロの陽光』で、カンヌ国際映画祭審査員賞、国際批評家連盟賞受賞。10年に1本しか撮らない(もしくは撮れない)、大変寡作な監督として知られているが、これまでの作品はすべて非常に高い評価を得ている。
『10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス』は、数人の監督がそれぞれ10分の短編を集めたオムニバス映画である。
幼少からジョン・フォードのファンである事でも知られる。
2006年、マドリードでアッバス・キアロスタミ監督との映像による往復書簡を展示。
主な監督作品
- 挑戦 Los Desafios (1968) ※第3章を担当
- ミツバチのささやき El Espiritu de la colmena (1973)
- エル・スール El Sur (1982)
- マルメロの陽光 El Sol del membrillo (1992)
- 10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス/ライフライン Ten Minutes Older: The Trumpet / Lifeline (2002)
- 3.11 A Sense of Home Films(2011)- 東日本大震災を受けての短編映画集
- ポルトガル、ここに誕生す〜ギマランイス歴史地区(2012)- 4人の監督によるオムニバス作品