ハラン (植物)

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テンプレート:生物分類表 ハラン(葉蘭、学名: テンプレート:Snamei)とは、スズラン亜科ハラン属常緑多年草で、巨大なを地表に立てる植物である。

特徴

は地下を横に這う地下茎の形をとる。

葉は薄いが硬くてつやがあり、深緑色楕円形で長さが50cmを越える。密な群落を作るので、地面からこの様な大柄な葉が立ち並ぶような風景となる。日陰で手入れをしないでもよく育つ。

紫色多肉質5月ごろ地下茎から出て地面すれすれに咲く。ちょうど花が地面にめり込んだような格好である。

果実も地表に乗った姿になる。

花粉媒介

この植物の花は地上すれすれに咲くことから、カタツムリナメクジにより花粉が媒介されて授粉されるとの仮説を提唱した植物学者がいたが、1995年日本の加藤誠がヨコエビ類のニホンオカトビムシがこの種の花粉を媒介することを示した[1]

分布・生育地

中国南部原産であると言われてきたが、中国での野生は見つかっておらず、鹿児島大学の迫静男らにより九州南部の宇治群島黒島諏訪之瀬島が本来の野生地であるという報告がなされている[2][3]

利用

よく庭園の下草として植えられ、斑入りなどの品種がある。ヨーロッパでも植えられ、ジョージ・オーウェル自伝的作品『葉蘭をそよがせよ』("Keep the Aspidistra Flying"、1936年)には、イギリス中産階級象徴として庭のハランが登場する。

和食での料理の盛りつけで料理飾りにハランの葉を包丁で細工したものを使うこともある。現在では高級料亭寿司で使われる。 後述する折詰刺身に付いてくる「緑色のプラスチックシート#人造バラン)」はこのハランの葉の飾りつけを模したものである。

人造バラン

テンプレート:出典の明記

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人造バラン(あわび弁当)

寿司などの食品に付属する緑色のプラスチック装飾品をハランまたはバランというが、これはハランを真似て作ったプラスチック製のものを人造ハランと呼んだのが起源である。前に「人造」が付くため「ラン」が濁音化して人造「ラン」となり、「人造」が取れて短縮された結果である。

そのような経緯から正式にはバランという植物名は存在しないため、多くの図鑑はバランを別名として認めていない。植物名やプラスチック装飾品に「馬蘭」(ばらん)の漢字を用いる俗称があるのも、このような過程でバランという呼称が発生した後付の当て字であるらしい。

ハラン属

テンプレート:Sister テンプレート:Sister ハラン属(ハランぞく、学名: テンプレート:Snamei)は、これまでに85が中国、インド東部、ベトナムラオス台湾日本で発見されており、そのうち59種は中国に分布し、さらにそのうちの54種は中国の固有種である。

脚注

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参考文献

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関連項目

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外部リンク

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