ハミルトンベクトル場

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ハミルトンベクトル場は、ハミルトン形式解析力学、 およびシンプレクティック幾何学に登場するベクトル場。

ハミルトンベクトル場は系の時間発展に幾何学的な解釈を与える: 相空間上の系の時間発展は、ハミルトンベクトル場のフローに一致する。 すなわち、Hをハミルトニアンとし、(q(t),p(t))をHに関する正準方程式の解とするとき、 (q(t),p(t))はハミルトンベクトル場の<math>\, X_H \,</math> の積分曲線<math>\exp(tX_H)</math>に一致する。


定義

<math>(M,\omega)</math>をシンプレクティック多様体とする。 <math>M</math>上の滑らかな関数<math> f \in C^{\infty}(M)</math>に対して、

<math> \mathsf{d}X= \omega(X_{f},\cdot)</math>

を満たす<math>M</math>上のベクトル場<math>\, X_{f} \,</math>が唯一つ定まる。 (<math>\, X_{f} \,</math>の存在性はシンプレクティック形式ωが非退化である事と外積代数の一般論から従う。)

Hハミルトニアンとするとき、 ベクトル場 <math>\, X_H \,</math> を<math>\, H \,</math>から定まる ハミルトンベクトル場という。

ハミルトンベクトル場<math>\, X_H \,</math>をダルブー座標 <math>(q_{1},\cdots,q_{n},p_{1},\cdots,p_{n})</math>を用いて表すと、

<math> X_H = \sum_{i=1}^{n} \left( \frac{\partial H}{\partial p_{i}} \frac{\partial}{\partial q_{i}} -\frac{\partial H}{\partial q_{i}} \frac{\partial}{\partial p_{i}} \right) </math>

と書ける。ここで、<math>M</math>の次元は<math> 2n </math>であるとした。テンプレート:Math-stub