ハウンド・ドッグ (ミサイル)
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ハウンド・ドッグ (AGM-28 Hound Dog) は、アメリカ合衆国で開発された大型の空対地ミサイルである。
概要
有翼であり、ジェットエンジン推進の巡航ミサイルである。W28核弾頭を搭載した核ミサイルとして戦略任務で配備された。開発開始は1956年、初飛行は1959年である。
アメリカ空軍のB-52戦略爆撃機(G型以降)の主要な兵器システムとして、1960年代を通じて配備されていた。1976年に全基退役し、後継のSRAMミサイルに取って代られた。
大型のハウンド・ドッグはB-52の爆弾倉に格納することができず、左右の内翼下に一機ずつ搭載する。搭載機の離陸にあたってミサイルのジェットエンジンをも駆動し、離陸を助ける機構が用意されていた。搭載時におけるミサイルの燃料は母機から補填することができ、ミサイルのエンジンの始動・停止は任意に行うことができる。
ミサイルは細長い胴体部の後下部に胴体部よりも太く短いジェットエンジンを取り付けた形状をしており、主翼も胴体後部にある。水平尾翼は有さず、垂直尾翼のみを有している。
仕様
AGM-28B
出典:Designation-Systems.Net[1]
- 全長: 12.95 m (42 ft 6 in)
- 全幅: 3.66 m (12 ft)
- 直径: 0.71 m (2 ft 4 in)
- 発射重量: 4,500 kg (10,000 lb)
- 機関: P&W J52-P-3 ターボジェットエンジン
- 推力: 33 kN (7,500 lbf)
- 最大速度: M 2.1
- 上昇限度: 16,800 m (55,000 ft)
- 射程: 1,100 km (600 nm, 700 mi)
- 弾頭: W28核弾頭(核出力: 70 kt - 1.45 Mt[2])
脚注
関連項目
- MGM/CGM-13 メイス - ハウンド・ドッグと同じ核弾頭を搭載可能。
- アメリカ合衆国のミサイル一覧