ハインリヒ・オルバース
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ハインリヒ・ヴィルヘルム・マトイス・オルバース(Heinrich Wilhelm Matthäus Olbers, 1758年10月11日 - 1840年3月2日)は、ドイツの天文学者・物理学者・医師。 ヴィルヘルム・オルバースもしくはハインリヒ・ヴィルヘルム・オルバースと書かれることが普通である。
ドイツのブレーメンで生まれ、ゲッティンゲンで医師となるための勉強を重ねた。1780年に大学を卒業し、ブレーメンで開業医となった。
オルバースは毎晩のように天体観測に明け暮れ、1802年3月28日に小惑星パラスを発見した。1807年4月29日には小惑星ベスタを発見した。
1815年3月6日、オルバースは周期彗星を発見し、オルバースの名が付けられた(13P/Olbers)。
オルバースは、「宇宙が一様で無限の広がりを持つならば、宇宙は無数の星によって太陽面のように明るく輝かなければならないが、現実の夜空が暗いのは何故か」という「オルバースのパラドックス」を提唱したことで知られる。
オルバースの名は、その功績を称えて、小惑星や月のクレーターに付けられている。
- 火星と木星の間の小惑星帯にある小惑星 → (1002) オルバーシア (小惑星)
- 月の西の周縁、嵐の大洋の西端に位置するクレーター → オルバース (クレーター)
- ベスタにある直径200kmのアルベドが低い地域 → オルバース・レジオ
参考文献
- 『夜空はなぜ暗い?』(エドワード・ハリソン著、長沢工監訳、地人書館)「オルバースのパラドックス」について天文学史をたどり、最初に正答に到達したのがエドガー・アラン・ポーであったと指摘した。