ノドアカハチドリ
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ノドアカハチドリ(喉赤蜂鳥・学名:Archilochus colubris)は、アマツバメ目ハチドリ科に分類される鳥。
分布
北アメリカのロッキー山脈以東に分布する唯一のハチドリである。夏にアメリカ合衆国とカナダ東部で繁殖し、メキシコと中央アメリカで越冬する渡り鳥である。
形態
全長7-9cm、翼の差し渡し8-11cm、体重2-6g。雄はその名の通り喉が赤い羽毛で覆われるが、この特徴は雌には無い。雄の尾羽は両端が長くなっており、雌の尾羽は丸みを帯びている。雄の方がやや小さく、嘴も短い。
生態
落葉樹林とマツ林、果樹園、庭園で繁殖する。雌親だけが木の芽の鱗片や地衣類をクモの巣ではりつけ、中にタンポポやアザミの綿毛を敷いた巣を樹上に作り、長さ12.9mm、幅8.5mmの白い卵を2個産む。雛は22-25日で巣立ち、1年に2、3回営巣する。交尾のとき以外はいつも単独で行動する。ノドアカハチドリの配偶システムは一夫多妻制であると考えられているが、一妻多夫制や乱婚制も起こりうるとされる。
人間との関わり
アメリカ合衆国とカナダでは、ノドアカハチドリは多くの人々に愛されている。夏になると、ハチドリ類が赤色の花を好む習性を利用して赤色の砂糖水入れを戸外に設置してハチドリを庭に誘引している風景がよく見られる。