ニンティ地区
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ニンティ地区(林芝地区=ニンティちく)は中華人民共和国チベット自治区に位置する地区)。ニャンティ(nyang kri)とも呼ばれ、「ニャン」とはニャン河(nyang chu)一帯を指す地名、「ティ」とは「褥」、「座」等を意味する。中国名はチベット名を音写した命名。日本では、チベット語に基づく「ニンティ」のほか、漢字表記からの重訳である「リンチー」などの表記がみられる。
目次
地理
西蔵自治区の東南部に位置する。西はラサ市、西南は山南(ロカ)地区、南はインド、東から東北にかけてチャムド地区、北はナチュ地区と接する。本地区のメトク県、ザユル県、ロカ地区のツォナ県、ルンツェ県の南部はインドとの国境紛争地域となっており、インド政府は、名目上これらの諸県の南部とされる領域で、インドが実効支配するマクマホン・ライン以南の部分に対し、アルナーチャル・プラデーシュ州を設けている。
歴史
古称をコンポ(工布)といい、1951年当時は白瑪桂(現メトク県)に属する多麦(ドメー)基巧を除き、地方噶厦政府の管轄であった。1954年に塔工総管が設立され、10のゾン(宗)と谿を管轄。 1960年に林芝専区を設置するが、1963年にラサ市、ナクチュ地区、チャムド地区に分割される。 1986年にニンティ地区として再独立した。
行政区画
本地区には、以下の7ゾン(県)がある。
- コンポギャンダ県(kong po rgya mda' rdzong, 工布江達県)
- ニンティ県(nying khri rdzong, 林芝県)
- ナン県(snang rdzong, 朗県)
- メンリン県(sman gling rdzong, 米林県)
- ポメ県(spo mes rdzong, 波密県)
- ザユル県(rdza yul rdzong, 察隅県)
- メトク県(me tog rdzong, 墨脱県)
年表
タクコン・チキャプ
- 1952年 - チベット地方ロカ・チキャプギャツァゾン・ナンゾン・ラスイシカ・グラムナムギェシカを編入。タクコン・チキャプが成立。(6ゾン4シカ)
- 1955年3月9日 - タクコン・チキャプがタクコン弁事処に改称。
タクコン弁事処
- 1955年3月9日 - タクコン・チキャプがタクコン弁事処に改称。(7ゾン4シカ)
- ツェラ・ゾンの一部が分立し、テモ・ゾンが発足。
- 1959年4月 (2県5ゾン1シカ)
- 1959年7月 (4県4ゾン)
- 1959年8月 - ツェラ・ゾンの一部が分立し、メンリン県が発足。(5県4ゾン)
- 1959年9月 (7県)
- 1960年1月7日
- ニンティ県・コンボギャムダ県・メトク県・メンリン県・ショバ県がニンティ専区に編入。
- ナン県・ギャツァ県が山南専区に編入。
チベット地区ニンティ専区
- 1960年1月7日 - タクコン弁事処ニンティ県・コンボギャムダ県・メトク県・メンリン県・ショバ県、チャムド弁事処ラリ県・ポメ県を編入。ニンティ専区が成立。(7県)
- 1964年7月27日
- ニンティ県・メンリン県・コンボギャムダ県・メトク県・ショバ県がラサ市に編入。
- ラリ県がナクチュ専区に編入。
- ポメ県がチャムド専区に編入。
チベット自治区ニンティ地区
- 1983年10月8日 - チベット自治区ラサ市メトク県・メンリン県・ニンティ県・コンボギャムダ県、チャムド地区ポメ県・ザユル県、山南地区ナン県を編入。ニンティ地区が成立。(7県)
- 1999年9月21日 - チャムド地区ピュトク県の一部がザユル県に編入。(7県)