ニッパー (工具)
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ニッパー(nipper)とは、針金、電線などを切断するための工具のひとつ。ニッパともいう。英語のnip(挟み切る)が語源。
種類(用途別)
- ニッパー
- 一般的には刃の中央に小さな穴の開いたニッパが多い。そのニッパは切断以外に被覆線中の導線を切ることなく被覆のみをはがすことができる。半田つけなどには欠かせない非常に便利な工具。
- 硬線ニッパー
- 硬い針金、電線などを切断するためのニッパー。刃先が厚く、切断に特化しているために刃にピット(くぼみ)は無い。
- 精密ニッパー
- ICやLSIの結線部分を切断するなど精密作業用のニッパー。刃先が薄く、切断面の形状も用途に応じて何種類か存在する。
- エンドニッパー
- 板から飛び出した釘の先端を切るような縦方向の切断に特化したニッパー。先が刃になったやっとこ、もしくは巨大な爪切りのような形状をしている。
- 斜めニッパー
- 刃先に角度がつけられていて、陰に隠れた部分の切断も可能なニッパー。通常、他のニッパーのバリエーションとして販売されている。エンドニッパー的な使用も可能
- 爪切り用ニッパー
- ネイルニッパーとも呼ばれる。通常の爪切りが指先の肉まで挟んでしまう可能性があるのに対し、ニッパー式爪切りはその不安が少ない。ただし、自分で切るのには向いていない。介護用品として近年使用されることが多くなった。
- プラスチックニッパー
- プラモデル作製用だが、薄刃ニッパーや精密ニッパーと外観上大差はない。切断能力がプラモデルの主要素材であるスチロール・ABSなどの汎用プラスチックを極力綺麗な切り口で切りだすことに特化しており、金属線などの硬質素材の切断をすると刃がなまったり最悪刃こぼれを起こすので注意が必要。
- 大型ニッパー
- 空気圧で動作する工場用の据え付け式ニッパー。エアニッパーと呼ばれ、人力では不可能な部品の切断に使われる。
類似の切断工具
- ワイヤーカッター
- 切断に特化してより太い針金を切断するための工具。ニッパーとワイヤーカッターの境界は不明。
- ボルトクリッパー(ボルトカッタ)
- ワイヤーカッターをさらに大型にした工具。太い線材や鎖、また名前の通りボルトも切断できる。
- ワイヤーストリッパー
- 皮膜に覆われた電線の皮膜除去に特化した工具。長い刃先に数種類の直径の異なる穴が空いている。切断もできる。