ターナー症候群
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テンプレート:Infobox Disease ターナー症候群(ターナーしょうこうぐん、Turner syndrome)とは、染色体異常の一つで、正常女性の性染色体がXXの2本なのに対し、X染色体が1本しかないことによって発生する一連の症候群のこと。その名称は、この症候群を報告したアメリカの内分泌学者テンプレート:仮リンクに由来する。
この症候群の現れ方は多様であり、染色体の異常だけで外見的には全く普通の女性と変化が無い。
原因
染色体異常症のうちの異数性の一つ。配偶子形成時の減数分裂過程での染色体不分離により、X染色体が1本少ないことによる。正常女性核型は 46,XX とX染色体が2本あるのに対して、X染色体が少なく 45,X となる。しかしながら、実際には 45,X だけではなく、X染色体の構造異常によりX短腕が欠失した核型も稀ではなく、46,X,i (Xq) やマーカー染色体などがモザイクで存在する場合も多い。
頻度
98%は胎児の段階で自然流産となる。頻度は2000人〜3000人に1人。
症状
診断される契機としては、新生児期の四肢の浮腫、先天性心疾患、低身長、無月経などである。無月経であるので妊娠することはできないが、性交渉は可能である。12歳になっても思春期の起点である乳房の発達が始まらないか16歳になっても初潮を迎えておらず、且つ低身長である場合は、本疾患を疑うべきである。上記の症状が現れることなく自然に思春期が到来する場合もあり、結婚してから不妊症として発見されることもある。
- 低身長
- 第二次性徴の欠如(卵巣の瘢痕化による)
- 月経不順などがあることもある。腫瘍・糖尿病の危険性が高い。
- 外反肘、翼状頸、盾状胸、毛髪線の低位などがみられる。ただしこれらの症状はそれほど著明ではないので、思春期に至って低身長や二次性徴の欠如が目立つようになるまでは気付かれないことも多い。
- 大動脈縮窄症、大動脈弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症などの左心系の心奇形、馬蹄腎などの腎奇形をしばしば合併する。
また、極稀ではあるがこれによって異性一卵性双生児が起こる場合もある。
治療
- 低身長に対して:成長ホルモン投与
- 二次性徴:性ホルモン
関連項目
外部リンク
脚注