センチメンタルプレリュード
『センチメンタルプレリュード』(Sentimental Prelude)は、2004年10月28日にインターチャネルより発売されたPlayStation 2用の恋愛アドベンチャーゲーム。略称は「センプレ」。脚本は大倉らいた。キャラクターデザインは甲斐智久。CEROレーティング15歳以上対象。メーカー希望小売価格7560円(税抜7200円)。ベスト版は3045円(税抜2900円)。
概要
テンプレート:出典の明記 元来『センチメンタルグラフティ』は、NECインターチャネルの多部田俊雄とゲーム制作会社マーカスの窪田正義による共同企画だった。しかし続編『センチメンタルグラフティ2』は窪田主導で製作されることとなり、その体制の下、多部田子飼いのライター大倉らいたが企画からパージされるなど、政治パワーゲームの様相を示すこととなった。こうした内情はSTUDIO COMIX(大倉の公式サイト)内で暴露され、結果、『2』に不満を抱くセンチファンの中に「『2』は正当なスタッフによる正当な続編ではない」という評価を生んだ。多部田はこうした状況を巧みに利用し、本作の制作発表会において「本当に作りたい物は自分で作らないと駄目だとわかりました(笑)」と発言。暗に『2』失敗の責任は窪田体制にあったことを匂わせ、本作こそが「本当に作りたい物」であることを宣言した。本作は「正当なスタッフによる正当な続編」「『2』を認めないセンチファンへのアンサー」としての側面を持ち、このプロデュース戦略に沿う形で大倉がライターとして復帰。舞台は『2』の流れを受けない『センチメンタルグラフティ』の2年前の神奈川県鎌倉市に設定され、修学旅行のエピソードにおいては、『センチ』のヒロインたちの出身地に行くことになり(ただし、同県横浜市出身の星野明日香のみハワイ)、彼女たちに出会うことで『センチ』へと繋がる前日譚的作品である。もちろんその声優陣も『センチ』同様の配役である。
製作発表は2000年冬のイベントにて行われたが、結局、発売まで4年の歳月をかけたことになる。ドリームキャスト版・Windows版も当初予定されたが、計画が頓挫する。また、ゲームに先行して行われたメール企画も結局うやむやのままになる。そういったこともあり、売上・評価・人気などすべての面において不振を極め、この本作を最後にセンチメンタルシリーズに終止符が打たれた。
ゲームシステム的には、恋愛シミュレーションの『センチメンタルグラフティ』とは大きく異なっており、『2』同様の恋愛アドベンチャーとなっている。
登場キャラクター
- 仁科あゆみ
- 声:堀江由衣
- 篠原さおり
- 声:松来未祐
- 永瀬藍子
- 声:今井麻美
- 二ノ宮遙
- 声:浅野るり
- 橘なつみ
- 声:白石涼子
- 長谷川聡美
- 声:氷上恭子
- 白石みお
- 声:小暮英麻
- 綾崎操
- 声:増田ゆき
- 綾崎雛乃
- 声:浅井清己
- 綾崎静音
- 声:高森奈緒
- 結城さな
- 声:木川絵理子
- 山下杏子
- 声:松崎史子
- 結城拓馬
- 声:石田彰
- 野々村大地
- 声:阪口周平
- 高倉宏美
- 声:峯香織
操・雛乃・静音の3人は、『センチ』『2』に登場する綾崎若菜の親戚である。
メール企画
正式名称は「センプレメールチャム!」という。まだ名前が明かされていなかったヒロイン達とメールアドレスの登録をしてメールをやりとりし、その内容が作品に反映されるという企画だった。2000年8月12日のインターチャネルファン感謝デーで初めて公開され、2000年9月1日からサービス開始、2001年3月末日付けで終了の予定だったが、プレリュードそのものの発売延期により2003年9月1日までサービスが続行された。以下概要を説明する。
- 入会金は1000円。当時の時勢を考えれば表示価格は税別と推測される。その他BIGLOBEの会員になったり、テーマパーク共通カードなるものの購入などが必要だった。
- 機械的な返事ではなく、担当者がキャラになりきり、一人一人に対して返信する。
- 登録するとファーストメールが送られてくる。しかしヒロインは自分では選択出来ずランダムだったという報告がある。
- 一通送信(こちらからの送信)ごとに140円(税別)の通信料が必要になる。のち15回分の回数券を購入できるようになった。特典は2100円程度のものが2000円程度になる。
- ある程度会話が進むとヒロインから新しいヒロインを紹介してもらえる。実際は2001年4月1日にまとめて紹介された模様。
- 当初は専用のメールフォームからの通信だった。しかし後にフリーメールソフトや携帯電話からの通信も可能になった。
- バレンタインデーにヒロインからプレゼント(チョコレート)が送られてくる。
- 交換を続けているとヒロインからパスワードをもらえる。それが作中で何らかの要素を発揮するとあったが、作品内ではそのパスワードを使用する局面が確認されていない。後に製作側から「『メールチャム!』の要素を取り入れられませんでした」という弁解がなされている。